雑貨店の売り場にひそむ危険とは?店舗内の安全対策とヒヤリハット事例

2024.11.30店舗の安全管理
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店舗内には、見過ごされがちな危険がひそんでいることがあり、特に雑貨店では商品が多く密集した環境が災害や事故の要因となることがあります。狭い通路や陳列の高さ、不安定な商品配置などが原因で、お客様や従業員が怪我をするリスクが存在します。また、転倒や商品落下といった小さな事故であっても、安全管理不足がイメージダウンや損失につながることがあります。

この記事では、雑貨店の売り場にひそむ危険やヒヤリハット事例、店舗内の安全対策について解説します。

雑 貨店の売り場にひそむ危険

雑貨店には多くの小型商品や装飾品、什器があるため、雑貨店特有の危険がひそんでいます。
特に小売店では、お客様の転倒事故が多いことがわかっています。また、経営効率を重視し、無理な商品の陳列・在庫の集積といったジャングル陳列により事故が起こるケースも考えられます。無理に商品を陳列することで、商品が落下しお客様や従業員の怪我につながってしまいます。このように、雑貨店の売り場にはさまざまな危険がひそんでいます。

1.商品やディスプレイに関する危険

まずは、商品やディスプレイに関する危険をご紹介します。

ワレモノ商品の陳列棚
ワレモノ商品は、落下してしまうと割れてお客様や従業員が怪我してしまう可能性があります。そのため、ワレモノ商品の陳列棚は、特に対策が必要です。
また、ディスプレイに、おしゃれに見えるガラス棚を使用することもあるでしょう。ガラス棚も衝撃により、割れる可能性があります。ワレモノ商品とガラス棚の双方が割れないように注意しなければなりません。

ディスプレイ商品の落下
高い棚に陳列された商品が十分に固定されていなかったり、カバンや服が引っかかったりしてディスプレイ商品が落下する恐れがあります。落下した商品がお客様や従業員に当たったり、破損したりすることも考えられます。

陳列商品の落下
商品陳列が崩れ、商品が落ちた場合、商品の破損につながる可能性があります。陳列棚が固定されていなかったり耐久性がなかったりすると、陳列棚自体の転倒にもつながり危険です。

つり下げディスプレイの危険
天井や高い什器につり下げられた装飾品やライトが落下する危険性があります。フックを使ってつり下げている場合も、服が引っかかり商品落下の危険性やフックの先端にぶつかり怪我をする可能性があります。

2.店舗内のレイアウトにおける危険
店舗内のレイアウトによって、危険がひそんでいるケースもあります。

滑りやすい床
雨天時にお客様の傘や衣服から床が濡れることで滑りやすくなります。床のカラーによっては濡れていることに気づかなかったり、素材によっては滑りやすかったりして、転倒する危険性があります。

狭い通路
商品棚や什器が通路を狭め、足元が見えにくくなることで転倒や接触の危険があります。お客様や従業員の体がぶつかったり服が引っかかったりする恐れもあります。
また、通路が狭いと陳列棚や荷物を運ぶ際にぶつかり、陳列商品が落下してしまう可能性もあります。

3.接客や顧客動線における危険

接客や顧客動線によっても危険なケースがあります。

混雑時による接触や転倒
通路が狭いと混雑時に、お客様同士がぶつかり商品や什器に接触する可能性があります。接触した際に、陳列棚が転倒したり商品が落下したりして危険です。また、見通しが悪く死角になる部分があると、出会い頭にぶつかり怪我につながる恐れもあります。

子どもの予期せぬ行動
子どもが手を伸ばして商品を落としたり、什器に登ったりすることで事故につながる可能性があります。また、走り回ってしまうこともあり、お客様や従業員と衝突する恐れもあります。

4.店舗の防犯関連の危険
防犯対策が危険につながることもあるため、注意が必要です。

万引き防止策が原因の怪我
防犯ゲートやセンサーが通路を塞ぎ、つまずく危険性があります。また、防犯タグの取り外し作業中に工具で怪我をすることも考えられるでしょう。

雑貨店で行うべき店舗内の安全対策

では、雑貨店ではどのような安全対策を行うのが良いのでしょうか。

ジャンルを分けて配置する
重い商品は目線よりも上に陳列すると、落下したときに危険です。そのため、重い商品は、できるだけ低い位置に配置しましょう。また、ガラスや陶器など割れやすい商品を陳列する棚はしっかりと固定したり、滑り止めシートを敷いたりして対策するようにしましょう。また、陳列の間隔を広げると割れる危険性が減ります。
子どもの手に触れてしまうと危険なものは、子どもの手が届かない位置に配置することも大切です。

通路幅を確保し、什器の配置を定期的に見直す
商品棚や他の人とぶつからない程度の通路幅を確保しましょう。また、什器の配置も問題がないか定期的にチェックしておくと安心です。

雨天時は入口に滑り止めマットを設置
雨天時は、特に出入口付近が濡れやすく滑りやすくなるため、出入口に滑り止めマットを設置しましょう。また、こまめに床清掃をして対策することも大切です。

什器を固定する
什器が不安定だと、少しの衝撃でも倒れやすくなり危険です。特に地震が発生した際、什器が倒れやすくなり危険なため、壁や床に固定するようにしましょう。

什器や棚は定期点検を行う
什器や棚は定期的に点検を行いましょう。固定ねじがゆるんでいると、商品落下の危険性があります。また、ガラス棚を使用している場合は、定期点検でガラス部分のひび割れや欠けがないかを確認します。

売 り場の動線設計を工夫する
レジ周辺や入口付近の混雑を避けるための動線を設計しましょう。例えば、レジ周辺は列が作りやすいように陳列棚を配列するようにするのがおすすめです。また、お客様と従業員がぶつからないように、従業員の動線をできるだけ短く計画し、無駄をなくすようにすると良いでしょう。

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防犯ゲートやセンサーの設置場所を安全配慮
万引き防止のために、防犯ゲートやセンサーを設置することもあるでしょう。防犯ゲートやセンサーに気づかず、ぶつかってしまうお客様もいるため、設置場所には注意が必要です。例えば、ものが多い場所に設置してしまうと防犯ゲートやセンサーが見えにくくなり、ぶつかりやすくなります。

雑貨店おけるヒヤリハット事例
ここでは、実際に起こり得るヒヤリハット事例をご紹介します。

ワレモノの破損

これまでも解説してきた通り、ワレモノを取り扱う場合は、破損する恐れがあります。例えば、陳列中にスタッフが陶器やガラス製品を手に取り、落として割ってしまいそうになることが挙げられます。

雨の日に子どもが店内を走りディスプレイスタンドにぶつかる
上述の通り、雨の日は、床が濡れて滑りやすくなります。雨の日に子どもが店内を走り滑って転倒しディスプレイスタンドにぶつかってしまうといったヒヤリハットが発生する恐れがあります。

小さい商品が荷物に引っかかる
雑貨など小さい商品の中にはお客様の荷物や衣服に引っかかり、ディスプレイ棚から落下してしまうものも多いです。商品が小さいため、手持ちの荷物にまぎれたり、子どもが誤飲してしまったりといった事故の元にもなります。

定期点検や陳列ルールの整備、従業員教育、店内ポスターでの呼びかけを徹底し、ヒヤリハットを予防することで、より安全な店舗運営が可能です。

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まとめ
今回は、雑貨店の売り場にひそむ危険やヒヤリハット事例、店舗内の安全対策について解説しました。
雑貨店の売り場には、危険がひそんでいることがあります。棚や什器の点検、定期的にレイアウトを見直すなどして、お客様と従業員の安全を守るようにしましょう。また、定期的に陳列商品の整理・整頓を行ったり、こまめに店内を清掃したりすることも安全を守るために大切です。

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タグ : 安全対策 ヒヤリハット 雑貨店
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