雨の日に行うべき対策は?起こりうる事故と原因をご紹介
2019.02.18店舗の安全管理普段から店内の安全対策には気を配らなければなりませんが、晴れの日と雨の日とでは注意すべきポイントも異なります。雨が降ればお客様の傘や荷物からしずくが垂れ、床が濡れて滑りやすくなってしまいます。
ほかにもいろいろと注意すべきポイントがあるため、店舗全体で「雨の日の安全対策」について共有することが重要です。
そこで今回は、雨の日に起こりうる事故と原因、店舗で行うべき対策をご紹介します。雨の日の安全対策により力を入れたい店舗の方は、ぜひチェックしてください。
雨の日に起こりうる事故と原因
■撮影用の施設にて撮影を行っています。
まずは、雨の日に起こりやすい事故と、その原因をご紹介します。雨の日の売場では、どのような事故が起こりうるのでしょうか。
床の水濡れによる転倒事故
雨の日にもっとも注意が必要なのは、雨水で濡れた床で足を滑らせることによる転倒事故です。
床の水濡れの原因は、お客様の傘や荷物、衣服などからしたたり落ちた雨のしずくや、入り口から吹き込んでくる雨風です。
店舗入り口付近は特に転倒事故が起こりやすい場所なので、より一層の注意が必要です。また、高齢者や子どもの転倒は重症化しやすいこともポイント。
水平持ちした傘の接触事故
お客様が手に持っている傘で、他のお客様が怪我をしてしまうケースも。
傘を持って歩いているとき、知らず知らずの間に傘が横向き(地面と水平)になってしまうことがあります。このような水平持ちが原因で、傘の先端が後方を歩いているお客様にぶつかってしまえば、怪我やトラブルにつながります。
店内の階段やエスカレーターでは傘の先端が上半身に刺さる危険性が高いため、特に危険です。また、大人の持った傘が子どもに当たった場合も同様に、上半身や顔に当たってしまうため、怪我の程度が大きくなります。
雨の日の売場での事故事例
ここでは、雨の日の売場で実際に起きた事故事例を3つご紹介します。
店舗入り口の床で転倒し、腕を骨折した事例
最初の事例は、50代のお客様が店舗入り口付近で転倒した事例です。
雨の日にスーパーマーケットへ入店した直後、濡れていた入り口付近の床で足を滑らせて転倒。左腕を骨折し、全治1カ月以上と診断されました。
店舗外の通路で足を滑らせて、顔に裂傷を負った事例
続いての事例はショッピングセンターの敷地内にある、屋外の通路での事故です。40代のお客様が濡れた路面で足を滑らせ、顔に裂傷を負ってしまいました。
落ちている傘袋を踏んで滑り、足を捻挫した事例
3つ目の事例では、40代のお客様がスーパーマーケットの店内に落ちていた濡れた傘袋を踏んでしまい、足を滑らせてしまいました。足の痛みを感じたため、病院を受診したところ捻挫と診断されたとのことです。
雨の日に気をつけたい安全対策とポイント
では、雨の日の店内事故を未然に防ぐためには、どのような安全対策をすれば良いのでしょうか。
傘袋を利用してもらう
お客様が濡れた傘を売場に持ち込むことにより、床や商品が濡れてしまい、転倒などの事故が起きやすくなってしまいます。コンビニなどの小規模店舗ならば傘立てを利用してもらうという方法もありますが、多くの人が出入りする店舗では大量の傘立てが必要になることに加えて傘の取り違えが発生しやすくなるため、傘立ての設置は現実的ではありません。
そこで店舗として用意したいのが「傘袋」です。傘袋に傘を入れてもらうことにより、傘からしずくが垂れるのを防ぎ、床や商品が濡れにくくなります。
ただし、出入口付近に傘袋を設置することによって、出入口付近が混雑する可能性もあります。出入口が狭い店舗などでは「傘袋を省スペースタイプのものにする」、「傘袋を置く位置を考える」などの工夫を行いましょう。
また、傘袋が店内に散乱し、転倒の元となるといったケースも考えられます。使用済みの傘袋専用のゴミ箱を設置すると共に、店内に傘袋が落ちていないか定期的にチェックするなどして安全対策に努めましょう。
巡回を増やし、こまめに清掃を行う
雨の日は床が濡れたり汚れたりしやすくなっているため、こまめに清掃を行う必要があります。床が濡れていると転倒事故が起こりやすいため、滑りにくいように安全対策を行うことが重要です。
また、出入口などに足ふきマットを設置している店舗は、雨により足ふきマットがズレたりしていないかをチェックしましょう。足ふきマットのタイプによっては、雨により位置がズレてしまったり滑りやすくなったりしてしまうものも存在します。
このほかにも、雨の日には普段動かないようなものがズレてしまったりするものです。雨の日には、従業員の巡回を増やすなどの安全対策を行いましょう。
雨風がひどい場合は、店舗の周囲もチェック
最近では、ゲリラ豪雨などの激しい雨が一気に降ることが増えています。店舗の構造や周囲の環境などによっては激しい雨風によって店舗の敷地内にゴミが入り込んでいたり、植木の枝が折れたりしている可能性が考えられます。
大きなゴミや木の枝は通行の妨げになるだけでなく、怪我などの事故の原因になる場合もあります。雨風がひどいときは、売場だけでなく店舗の周囲などもチェックすることをおすすめします。
注意喚起のポスター掲示や店内放送の実施
店舗側で十分に対策を行うことはもちろん大切ですが、お客様にも意識してもらうよう注意喚起をすることも効果的です。
傘の水平持ちによる事故を予防するためには、階段やエスカレーターの乗り口付近に注意喚起のポスターを掲示すると良いでしょう。傘を水平持ちしている人のイラストや写真を使い、水平持ちすると周りの人に迷惑であることが視覚的に伝わるようにします。
また、定期的に店内放送で「雨天のため足元が滑りやすくなっております」といったアナウンスを実施するのもおすすめです。
専用BGMなど、スムーズに従業員に周知できる工夫を
雨の日にもお客様に安全にお買い物を楽しんでいただくためには、あらかじめ雨の日に行う安全対策を決めておき、従業員に周知しておくことが大切です。
また、朝から降り続けている雨ならばともかく、通り雨などは屋内の売場で働いている従業員には気づきにくい場合があります。そのため、雨が降り出したら専用のBGMを流すなど、スムーズに従業員に天気を伝えられるような工夫を行うと良いでしょう。
まとめ
今回は、雨の日に売場で起こりやすい事故についてご紹介しました。
雨の日は、床の水濡れによる転倒事故や、水平持ちした傘の接触事故などのリスクがあります。傘からしずくが垂れるのを防ぐための傘袋を用意したり、巡回や清掃をこまめに行ったりなどの対策を行い、雨の日でもお客様が安全にお買い物をできる売場作りを心掛けましょう。