クロームメッキとは?クロームメッキとメッキの違いについて
2019.01.21店舗の安全管理売場の安全を左右する什器パーツは、丈夫で耐久性が高く、手入れしやすいことが重要となります。そこで注目されているのが、「クロームメッキ」という加工法です。
以下では、什器パーツを選ぶ際に知っておきたい、クロームメッキ加工の特徴やお手入れ方法をご紹介します。
クロームメッキとは?
クロームメッキ(クロムメッキ)は、クロム(Cr)という金属を用いた、光沢ある銀白色のメッキ加工です。
クロームメッキ被膜は非常に硬くて頑丈で、耐蝕性、耐変色性にも優れています。そのため、素材にクロームメッキを施すことによって、より丈夫で傷つきにくく、サビや変色もしにくい製品になります。また、光沢のある白色皮膜で覆われるため、外観が美しく仕上がります。
どんな製品に活用されている?
水道蛇口のほとんどがクロームメッキであるほか、トイレのパイプや水栓チェーンなどの水回りに多く使用されています。自動車やバイクの外装部品に使用されることも多く、バンパーやグリル、ホイールキャップなどにも用いられています。そのほかにもさまざまな製品に活用されています。
クロームメッキとメッキの違い
クロームメッキとメッキには、どのような違いがあるのでしょうか。
メッキとは、さまざまな素材の表面に金属の膜を張って加工することです。金メッキや銀メッキ、亜鉛メッキなどのように、使用する金属の種類によって名前が変わります。つまり、クロムを使用するクロームメッキも、メッキの一種です。
クロームメッキが他のメッキと比べてどのような特長があるのかは、以下で詳しくご説明します。
クロームメッキ製品のメリット
店舗のディスプレイに使われる棚受け金具(ブラケット)、ハンガーパイプ、フェイスアウトフックといった什器パーツにも、クロームメッキ仕上げの製品があります。クロームメッキ加工が施された什器パーツには、次のような特長があります。
サビにくい
ディスプレイ用の什器が経年劣化によってサビてくると、見た目が良くないだけでなく、商品にサビが付着する場合があります。また、お客様の手や服がサビで汚れて、ご迷惑をおかけしてしまう恐れもあります。
クロームメッキ加工の製品は腐食しにくいため、サビによるトラブルの防止につながります。
ハンガーをかけても塗料剥がれしにくい
ハンガーをかけるポールは何度もこすれるため、傷や塗料剥がれができやすい什器です。(ガードフィルムを貼ったりシリコンスプレーを吹き付けたりして保護すれば、長持ちしやすくなります)
クロームメッキ加工のハンガーパイプなら摩擦に強いため、そのままでも傷や塗料剥がれができにくく、美しさが長持ちします。
打撃・衝撃に強い
売場のディスプレイ什器は、お客様が利用しているショッピングカートがぶつかったり、硬い商品や周りの什器が当たってこすれたりすることがよくあります。
クロームメッキ加工の製品は頑丈で傷つきにくいため、耐久性と美観を長く保つことができます。
光沢があるため、見た目が美しい
クロームメッキは、水道の蛇口に代表されるように、なめらかで美しい光沢が出る加工法です。クロームメッキ仕上げの什器パーツを使うことによって、店内ディスプレイに高級感や清潔感を演出できます。
クロームメッキ製品のお手入れ方法
サビにくく頑丈なクロームメッキ加工什器ですが、長期間美しく清潔な状態で使用し続けるためには、定期的なお手入れが必要です。ここでは、お手入れに必要な道具とお手入れの方法をご紹介します。
通常のお手入れ
クロームメッキ製品のお手入れには、市販のメッキ専用クリーナーを使います。水は使わず、乾いた柔らかい布にクリーナーをつけて磨きます。あまり力を入れず、表面を滑らせるようにして磨くのがポイントです。
クロームメッキは磨くことで輝きが増し、高級感と清潔感が高まります。
メッキ専用クリーナーは、什器を扱う専門店のほか、ホームセンターでも購入できます。ただし、有機溶剤や研磨剤が入ったもので店内用クロームメッキパーツを磨くと、サビや剥離の原因になるので避けましょう。
また、硬い布やブラシなどを使用するとメッキの表面に細かい傷がついてしまい、クロームメッキならではの光沢感が失われてしまいます。さらにはサビなどの原因にもなりますので、柔らかい布を使うようにしてください。
サビが発生した場合のお手入れ
クロームメッキ製品はサビにくいという特長がありますが、使用状況や保管状態によってはサビが発生してしまうこともあります。
万が一クロームメッキ什器にサビが発生してしまった場合には、研磨剤やブラシを使ってサビ部分を削り落とします。この際、メッキの表面に傷をつけないよう注意しましょう。
特別なお手入れ
店舗のクロームメッキ加工什器をより美しく保ちたい場合は、定期的なお手入れに加えてワックスコーティングを行うことをおすすめします。
実はクロームメッキ皮膜の表面には、目に見えないほどのごく小さな穴が空いています。この穴をワックスで埋めてあげることにより、サビにくく丈夫で美しいというクロームメッキ製品のメリットを、最大限長続きさせることが可能です。
ワックス以外にも特殊なシリコン剤を使用したメッキ保護剤などもあるので、使い方や予算に合わせたものを選んでくださいね。
クロームメッキ製品の保管方法
店舗内のディスプレイなどに使用される什器ですが、セール時期のみ必要な什器や、レイアウトの変更で使わなくなってしまった什器などもあることでしょう。使用していないクロームメッキ什器をバックルームや倉庫などで保管する際は、どのような点に注意すれば良いのでしょうか。
湿気や雨水が侵入しない場所に保管する
メッキ製品の天敵は、やはりサビです。クロームメッキ製品はサビにくいとされていますが、100%サビが発生しないというわけではありません。
サビの発生を防ぐために、保管場所には湿度の低い場所を選びましょう。また、床に雨水が侵入する可能性がある屋外の倉庫なども避けてください。
使用頻度の高いものを手前に配置する
クロームメッキ什器を保管する場合は、使用頻度の高いものが入り口付近にくるよう配置しましょう。
使用頻度の高い什器を奥に入れてしまうと、出し入れに苦労するだけでなく、什器同士がぶつかり合ってしまうこともあります。クロームメッキ加工は打撃・衝撃に強いという特長を持っていますが、衝撃を受ける回数は少ないほうが良いに越したことはありません。
保管する際は、使用頻度を考えて配置を決めましょう。
まとめ
今回は、店舗内の什器にも用いられているクロームメッキ加工についてご紹介しました。
メッキ加工方法の一種であるクロームメッキ加工を施した製品は、サビにくく衝撃に強いだけでなく、見た目も美しいという特長があります。
新しい什器パーツへの交換や、ディスプレイ什器の導入をご検討の際は、クロームメッキ製品にも目を向けてみてはいかがでしょうか。そうすることで、安全で美しい店舗作りが可能となります。