安心・安全に利用してもらうため。注文・会計周りのバリアフリー対策
2017.07.28店舗の安全管理お客様が安心・安全に利用できるよう、近年は積極的にバリアフリー化に取り組む店舗が増えています。障がい者や高齢者だけでなく、すべてのお客様がストレスなく快適に利用できるということは店舗にとっても重要なポイントです。
以下では、バリアフリーの定義についてご説明し、店舗内外のスペースや注文・会計時などのバリアフリー対策のポイントについてご紹介します。
バリアフリーとは?
バリアフリーとは、「バリア=障壁」を「フリー=のぞく」という意味で、高齢者や障がい者、乳幼児を連れた方や病気を抱えた方などにとって障壁となる物理的・心理的なバリアを取り除くための対策や取り組みを指しています。
日本でも1990年代ごろから急速に注目され始め、特に店舗や商業施設などの空間設計において重要視されるコンセプトとなっています。
バリアフリー化のためのポイント
バリアフリー化の取り組みには、さまざまなものがあります。代表的なものとしては、以下のような対策があげられます。
- 駐車スペース
・できるだけ店舗に近い場所に設置
・安全に乗り降りできる充分なスペースを左右両サイドに確保 - 店舗の出入口
・車椅子やベビーカーを利用されるお客様がほかのお客様と安全にすれ違うことができる広さを確保
・段差がある場合にはスロープを設置
・出入口付近に商品や自転車などのモノは置かない
・ドアは車椅子利用者などが安全に使用できるよう自動ドアやスライド式にする - 店舗内の通路
・車椅子やベビーカーをご利用のお客様でも無理なく安全に移動できるよう通路幅は充分な広さを確保
・店舗内に段差がある場合はスロープを設置
・スロープ部の色をほかの床とは変えて区別しやすくする - トイレ
・車椅子利用者でもゆったりと使用できるスペースを確保
・便器や洗面器周りに手摺りを設置
店舗のバリアフリー化にはコストがかかりますが、行政によっては改修工事の助成金を利用できる場合があるのでぜひご検討ください。
注文や会計時のバリアフリー化
店舗のバリアフリー化は設備などのハード面だけでなく、注文や会計時などのソフト面のサービスに関しても対策が求められています。
・注文時
視覚に障がいのあるお客様の場合は、直接ご本人に話しかけ、声に出してメニューを読み上げます。可能なら点字メニューを用意すべきです。
聴覚に障がいのあるお客様の場合には、見るだけで内容が理解でき、指さしだけで注文できる写真入りのメニューを用意すると役立ちます。筆談できるコミュニケーションボードなどを準備しておくのもおすすめです。
・会計時
視覚に障がいのあるお客様の場合は、商品やメニュー名と金額、合計金額などを声に出して読み上げ、代金を受け取る際にも受け取った金額とお釣りの金額を声に出して伝えます。
聴覚に障がいのあるお客様には、合計金額やレジの表示を電卓やメモを使って視覚的に伝える工夫が必要です。
こうした対策に加えて、すべてのお客様によりよいサービスを提供するために、店舗の従業員が「サービス介助士」の資格を取得することもおすすめです。