店舗の台風対策はどうする?台風によって生じる店舗のリスクや台風への備え
2024.09.30店舗の安全管理日本は、毎年多くの台風が上陸します。中には、勢力が強く大きな被害をもたらす台風が上陸するケースもあります。勢力の強い台風が接近する際は、事前にしっかりと備えることが重要です。店舗においても、台風による被害で長期間営業ができなくなる可能性があります。被害を最小限に抑えるためには、台風対策を講じることが必要です。
そこで今回は、台風がもたらす店舗へのリスクと、店舗が行うべき台風対策について、わかりやすく解説します。
台風による主な被害
日本では毎年、夏から秋にかけて台風が上陸します。台風が接近すると、強い雨や風によってさまざまな被害が発生することが予想されます。特に、勢力の強い台風には十分な警戒が必要です。まずは、台風によって引き起こされる主な被害について見ていきましょう。
水害・風害
台風による被害としてまず考えられるのは水害と風害です。水害は、台風による大雨で河川の氾濫や山崩れ、道路の冠水などが発生することです。これにより建物が浸水したり、山の近くにある建物が山崩れに巻き込まれたりする危険性もあります。特に低地や河川の近くにある建物では、浸水被害が大きくなる可能性があります。
風害は、台風の強風によって屋外にあった物が飛ばされ、建物や周囲の物が破損します。飛んできた物が窓ガラスに当たり、ガラスが割れてケガをする恐れもあり、大変危険です。事前に対策を行うことで、このような被害を最小限に抑えることが重要です。
停電・断水
台風による水害や風害の影響で、停電や断水が発生することも考えられます。停電や断水が起こると、日常生活だけでなく、経済活動にも大きな支障をきたします。特に停電が発生すると、店舗ではレジの使用や冷蔵・冷凍食品の保管ができなくなります。冷蔵設備が機能しなくなると、食品が傷んでしまい、在庫の損失にもつながります。さらに、停電や断水が長引くと、営業の継続が難しくなるため、収益に直接影響を与える可能性があります。
台風によって生じる店舗のリスク
台風が発生することで、店舗ではさまざまなリスクが生じます。ここでは、大きな台風が近づくことで、起こり得るリスクについて解説します。
従業員が出勤できない
台風が接近し、強風や大雨になると、電車やバスなどの交通機関が遅延や運休する可能性があります。さらに、予報によっては計画運休が実施されることもあります。
電車やバスで通勤している従業員は、交通機関が停止すると出勤が困難になります。たとえ車通勤や徒歩通勤であっても、道路が冠水していると出勤できないことが予想されます。このため、従業員が出勤できないことで、店舗の営業が難しくなるケースも考えられます。
無理に出勤しようとすると、危険な状況に遭遇し、命に関わることもあるため、天候や交通状況に応じて慎重に判断しなければなりません。
帰宅困難になるリスクがある
台風の影響は出勤時だけでなく、退勤時にも注意が必要です。帰宅時間帯に電車やバスが運休してしまうと、従業員が帰宅できなくなる可能性があります。また、来店していたお客様も帰宅困難となるリスクがあり、店舗側としても対応を考慮しなければなりません。
このような状況を避けるためには、台風の接近予報を確認し、事前に営業短縮や閉店時間の変更を検討するなど、従業員やお客様の安全を最優先にした対策が求められます。
物的損害のリスクがある
台風による水害で店舗が浸水すると、商品が水浸しになるリスクがあります。また、強風で物が飛んできて窓ガラスが割れるなどの被害も考えられます。商品が損傷したり、建物が破損したりと物的損害が発生すると、営業の継続が難しくなり、大きな支障をきたすことになります。こうした被害を最小限に抑えるためには、台風が到来する前にしっかりと対策を講じることが重要です。事前の準備が店舗の安全を守るための鍵となります。
店舗での台風対策・台風への備え
では、店舗ではどのような台風対策をすれば良いのでしょうか。ここでは、台風への備えについて解説します。台風情報を確認し、雨や風が強くなる前に対策をしておきましょう。
終日休業も検討する
従業員・お客様の安全確保するため、台風情報を確認の上、終日休業や営業時間の短縮を検討しましょう。電車・バスが運休になる場合や不要不急の外出を控えるよう呼びかけられた場合は、休業や営業時間の短縮を選択することをおすすめします。
なお、休業や営業時間を短縮する場合、事前にSNSやブログ、店外の張り紙などでお知らせしましょう。
お店周辺の情報を把握しておく
店舗周辺の情報を事前に把握しておくことが大切です。まずは、ハザードマップを確認し、周辺に洪水の恐れがある河川や、急傾斜地での水害や土砂災害のリスクがあるかをチェックしましょう。ハザードマップの情報に基づいて、適切な対策を立てることが重要です。
また、万が一の際に備えて、避難所の場所も確認しておくと安心です。従業員やお客様の安全を守るために、事前の準備をしっかり行いましょう。
お店近くの側溝やグレーチングを掃除する
台風による大雨や強風で、側溝やグレーチングにゴミが詰まり、道路や店内が浸水する恐れがあります。水はけを良くするためにも、台風が来る前に側溝やグレーチングの掃除をしておきましょう。特に、落ち葉やゴミが詰まると水の流れが悪くなり、浸水のリスクが高まります。これを防ぐために、事前に側溝をしっかりときれいにしておくことが大切です。
お店の外にある飛ばされそうなものは固定または回収する
お店の外に飛ばされそうなものがないか確認しましょう。植木鉢や屋外什器などは、強風で飛ばされる危険があるため、店内にしまうようにします。ゴミ容器については、蓋をロックし、ロープで固定することをおすすめしますが、台風の状況が悪化する場合には、ゴミ容器も屋内へしまうと安全です。風で飛ばされる物が建物や人に被害を与えないよう、しっかりと対策を行いましょう。
窓や雨戸の対策
ものが飛んできた影響で、窓ガラスが割れる可能性があるため、必要に応じて窓も補強しておきましょう。窓ガラスには飛散防止フィルムを貼ると安心です。
また、強風によりドアが開いてしまうこともあるかもしれません。物置や店舗の裏口などはしっかりと鍵をかけておきましょう。雨戸は強い風や雨から守ってくれるため、雨戸がある場合は閉めておきます。
店内の浸水対策
店舗が1階にあり、ハザードマップで浸水が予想されるエリアの場合、浸水対策を行っておくことが重要です。適切な浸水対策をすることで、水による被害を最小限に抑えることができます。浸水対策として、土のうの使用が効果的です。店舗の出入り口に土のうを設置し、水の侵入を防ぎましょう。
また、商品は可能な限り高い位置に移動させ、水が届かないようにすることも大切です。こうした対策を事前に行うことで、台風による被害を減らすことができます。
店舗での水害被害を防ぐ対策については以下の記事でもご紹介しています。
防災グッズの確認
思っていた以上に雨や風が強くなってしまい、帰宅困難になることもあるかもしれません。万が一のことを考えて、防災グッズを用意しておくことも大切です。すでに、防災グッズを用意している場合は不備がないかチェックしておきましょう。
店舗で備えておきたい防災グッズについては以下の記事で解説しています。
店舗が備えておくべき防災グッズとは?本当に必要なものリストと管理方法
もしものときのためにBCPを策定しておこう
事業継続力強化のための対策を事前に講じるにあたり、BCPを策定しておくことをおすすめします。BCPとは、事業継続計画のことで、災害などの緊急時に事業の継続またはすぐに復旧できるよう対策をまとめた計画のことを指します。
店舗(小売店)の場合、災害時の従業員の安全確保や顧客対応マニュアルの策定などをBCPとして決めておきます。BCPを設定した場合は、従業員への周知するようにしましょう。訓練も行うことで、BCPの見直しや改善ができるため、余裕があれば訓練も実施することをおすすめします。
まとめ:台風対策は念入りに
勢力の強い台風が接近すると、大雨や強風によるさまざまな被害が考えられます。予報よりも影響が少なかったというケースもありますが、油断して対策せずにいると大きな被害に遭うこともあります。台風情報をこまめに確認し、できるだけ台風への備えを行いましょう。
参考
大雨・台風のおそれに備える「お店・事業所周りの災害安全確認と対策」をまとめ[2024年版] | 衣食住サービスに携わる小売・事業者のミカタ!SUPER DELIVERY MEDIA
https://blog.superdelivery.com/shop-hint/27692.html
台風対策とは?企業が備えておきたいリスクと対応 | 中小企業の未来をサポート MSコンパス ❘ 三井住友海上
https://mscompass.ms-ins.com/business-news/typhoon-countermeasures/
BCP対策事例まとめ|製造・小売・金融・IT・介護などの業種別に解説 | フレキシブルシナジーラボ by ovice
【台風10号】九州地方のくら寿司、ガストなどは計画閉店。飲食店が荒天時にやるべき3つの対策 | 飲食店ドットコム ジャーナル
https://www.inshokuten.com/foodist/article/4970/
スグ出来る飲食店の台風対策!6つのチェックポイントで完璧な備えを – 店サポ – 飲食店 居抜き店舗 専門情報サイト
https://misesapo.jp/archives/2754