店舗でできる地震対策とは?安全な商品陳列方法やディスプレイの地震対策
2024.03.26店舗の安全管理営業中に地震が発生すると、商品や棚の転倒・落下、ガラスやビンなどの破損によってお客様もしくは従業員に怪我を負わせてしまう恐れがあります。そのため、商品や装飾品が落ちないようにする、商品棚を倒れないようにすることが重要です。
この記事では、地震に備えて店舗でできる安全対策・防災対策について詳しく解説します。安全な陳列方法、商品棚やディスプレイの地震対策などご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
店舗でできる地震対策とは
まずは、地震に備えて店舗でどのような対策を行っておく必要があるのかを見ていきましょう。
店舗周辺の情報を確認する
事前に店舗周辺の情報を確認しましょう。災害発生時の避難場所は各市町村が用意する「防災情報マップ」などで確認できます。どこに避難すべきかを事前に把握しておくと、いざというときにすぐに行動することができるでしょう。
また、地震が発生すると津波や土砂崩れといった二次災害を引き起こす可能性が考えられるため、店舗周辺でどのような災害リスクが予想されるかをチェックしておくことも重要です。国土交通省が運営する「ハザードマップポータルサイト」で店舗周辺の状況を確認しましょう。
設備を定期的に確認し地震対策を行う
突然発生する自然災害に備えて、日頃から定期的に店舗内の設備を確認し、徹底した対策を行いましょう。具体的には、消火器や警報設備、懐中電灯などを定期的に点検し、いざというときに使用できるようにしておきます。
また、落下・転倒の危険がある商品棚の固定を補強する、怪我・破損しやすい商品の陳列の仕方を工夫するといった対策も重要です。
避難経路を把握する
地震などの自然災害が発生したときに慌てず安全に避難できるよう、事前に避難経路を把握しておくことが重要です。商業施設に入っている店舗の場合は、施設内の避難ルートや非常口の場所も確認する必要があります。お店の避難経路や非常口を把握しているのは店員や係員のみです。災害時に混乱せず冷静な判断でお客様を誘導できるよう非常口まで的確に誘導できるよう、把握しておくことが必要です。非常口までたどり着けないことも想定し、一時的な安全を確保できる場所に関しても常に頭に入れておきましょう。
また、通路に物を置かないようにしましょう。商品入荷時やイベントなどで通路に物があると、緊急時に支障をきたします。通路や避難ルート、非常口付近には物を置かず、いつでもスムーズに避難ができるようにしておきます。さらに、地震で倒れる可能性がある什器が避難ルートにある場合は、移動したり、壁に固定したりする、など事前に対策をしておきましょう。
防災グッズを用意する
店舗には必ず防災グッズを備蓄しておく必要があります。災害の規模によっては帰宅困難となり、電気やガス・水道が停止したり食料の調達が困難になったりする状況が予想されます。数日分の水や食料、毛布、簡易トイレなど非常時に役立つグッズを用意しておきましょう。店舗の場合は避難人数が多くなるため、多めに備蓄しておくと安心です。
また、防災グッズは定期的な点検や補充も忘れずに行いましょう。
防災マニュアルを作成する
地震が発生すると、店内全体がパニックになって二次災害を招く恐れがあります。そのため、どのように行動すれば良いかをまとめた防災マニュアルを作成することが重要です。従業員全員に共有して、いざというときに落ち着いて安全に行動できるよう備えましょう。
また、防災マニュアルをもとに訓練を実施して定期的に見直しを行うと良いでしょう。
防災担当者を決めておく
地震発生時に指示を出してくれる責任者がいないと、どのように行動すれば良いか分からず店内が混乱してしまうため、指示を出す防災担当者を決めておきましょう。
また、防災担当者がいないときの代理担当者や消火係、誘導係も決めて訓練を実施しておくと、いざというときにスムーズに対応できるようになります。
店舗に備えておきたい防災グッズ
ここからは地震などの自然災害に備えて、店舗に備蓄しておきたい防災グッズをご紹介します。
基本の防災グッズ
地震の規模によっては自宅や避難場所へ避難できず、安全が確保されるまでは店舗内にしばらく滞在することになるでしょう。電気やガス・水が停止し、食料を調達できない可能性もあります。このような事態に備えて、水や食料、毛布などの防寒具、簡易トイレなど役立つグッズを最低三日分備えておくと安心です。店舗の場合は従業員とお客様の人数分が必要となるため、多めに備蓄しておくと良いでしょう。
また、停電したときの避難時に活用できる懐中電灯、情報収集に役立つラジオなども備えておきます。
帰宅困難者向けの防災グッズ
地震が落ち着いて安全が確保されたら自宅に帰宅することができます。しかし、災害時は公共交通機関が止まったり、建物などで道路がふさがったりして帰宅が困難になることがあります。帰宅困難者が安全に帰れるよう、ルートが記載された「帰宅支援マップ」を用意しておきましょう。
また、暗い道を歩くときに役立つ懐中電灯や、水、食料なども備えておくと安心です。
安全な陳列の仕方
突然発生する地震のリスクを少しでも軽減させるために、日頃から店舗の陳列方法を意識することが大切です。ここでは、店舗における安全な陳列のポイントをご紹介します。
重いものは下に陳列する
商品棚やディスプレイに陳列するときは、大きい・重いものほど下に陳列し、小さい・軽いものを上に陳列することを意識しましょう。重いものを上の方に置いていると、たとえ棚を補強していても重さに耐えられず落下事故の危険が高くなるため、棚の重心を下げることで倒れにくくなります。
酒瓶の商品棚には紐や止め金具
酒瓶は割れもののため、落下するとガラスの破片が飛び散って怪我をしてしまう危険があります。そのため酒瓶を陳列している商品棚には、地震によって商品が倒れたり飛び出たりしないよう、紐や止め金具をつけて補強することが重要です。
また、瓶が大きい商品や瓶の高さのある商品はなるべく棚の下の方に陳列するといった工夫も大事なポイントです。
商品棚やディスプレイの地震対策
地震が発生すると商品棚やディスプレイが倒れることで怪我をしたり、避難の妨げとなったりする危険があるため対策が必要です。ここでは、商品棚やディスプレイで役立つ地震対策をご紹介します。
棚やブラケットを補強する
地震発生時には棚が倒れる可能性があるため、棚押さえパーツやブラケット抜け止めパーツなどを装着しましょう。落下に備えて補強することで、地震や思わぬ事故による棚の落下やブラケットの抜け落ちの可能性が低くなります。
装飾品やボックスには地震対策パーツを付ける
棚の固定を補強していても、棚からの落下物によって怪我につながる恐れがあります。そのため、棚にのせている装飾品やボックスには揺れや転倒抑制の対策パーツをつけることが必要です。例えば、粘着性セフティクッションシールやこぼれ止め線材といった揺れや転倒を防ぐ対策パーツをつけることで転倒しにくくなり、事故につながる危険性も低くなります。
棚に滑り止めシートを敷く
食器やガラス製品などの割れやすい商品を置いている棚には滑り止めシートを敷きましょう。商品が棚の中でずれないよう安定させることができ、落下だけでなく、破損のリスクを軽減できます。
また、棚がガラス棚の場合、大きな地震や極度に強い力が加わると割れる可能性があります。そのため、ガラス棚には飛散防止フィルムを貼っておきましょう。飛散防止フィルムを貼ることで、万が一割れても破片が飛び散ることがなく、安全です。
その他、棚の高所には割れものを置かないといった配慮をすることで事故のリスクも軽減できるでしょう。
まとめ:もしものときのために備えておこう
今回は、店舗でできる地震対策についてご紹介しました。地震はいつ発生するか分からないため、店舗内や什器に事前に地震対策を行うことで、もしものときのリスクを軽減させることが可能です。全ての商品・棚を万全に固定することが難しいですが、危険性の高い範囲は必ず補強して店舗の地震対策を講じていきましょう。
参考サイト
ロイヤル安全カタログ
https://www.royal-co.net/web/pdf/catalogue/anzen.pdf
DAIKIN|家具などの地震対策とは?食器棚の転倒防止策などを紹介
https://www.daiken.jp/buildingmaterials/etc/columnbaw/007/
飲食店ドットコム|事前の備えから地震発生直後の対応まで。飲食店が取り組みたい防災対策まとめ
https://www.inshokuten.com/recruit/knowledge/recruitmentcolumn/detail/495
店舗ネットワーク|店舗で準備しておきたい防災・安全対策