外国人観光客向けの安全対策とは?外国人観光客にも対応できる安全対策・災害対応
2024.05.28店舗の安全管理近年、日本へ旅行に来る外国人が増えてきています。新型コロナウイルスへの対策も緩和され、日本へ自由に旅行ができるようになってからさらに外国人観光客が増えています。
外国人観光客が増えてきたことから、飲食店などのお店や宿泊施設では、日本人だけではなく、海外の方にも対応した安全対策や災害対応が必要です。
そこで今回は、外国人観光客にも対応できる店舗や施設の安全対策や災害対策について確認します。
外国人観光客は増えている
海外からのお客様は増えています。2024年3月には、訪日外国人の数が初の300万人超えとなり、今後も多くの外国人観光客が来ることが見込まれます。
新型コロナウイルスの影響もあり、一時は訪日外国人が減りました。しかし、コロナウイルスに対する対策が緩和してからは訪日する外国人が再び増え始めました。お店では多くの外国人観光客で賑わってという場所もあるのではないでしょうか。
増えてきているということは、その分トラブルも多いため、迎え入れるお店は安全対策が必要です。
外国人観光客の特性
外国人観光客は、日本語を詳細に理解することができない方が多いため、マナーやアナウンス等を理解できないことがあります。そのため、他のお客様とのトラブルや店内での怪我・事故等につながる恐れがあります。
また、日本は災害の多い国です。外国人観光客の方が来店しているときに、地震などの災害が発生することも考えられます。しかし、地震などの災害に慣れていない観光客もいるでしょう。災害時、文化の違いから集団行動に慣れておらずトラブルに発展する可能性も考えられます。災害時は、想像以上にパニックになることが想定されるため、外国人観光客にも対応ができる安全対策が必要です。
外国人観光客向けの安全対策
ここでは、外国人観光客にも対応できる安全対策の方法について解説します。
防犯カメラの設置
近年、外国人による犯罪も増えてきています。犯人や犯行、トラブル等を確認できることがあるため、店内・店舗周辺には防犯カメラを設置しておきましょう。
警備員の配置
犯罪防止のために、警備員の配置も効果的です。店内または店舗周辺の見回りや、声掛けを行うことで、犯罪防止につながります。また、困っている観光客がいれば案内もできるため、警備員の配置もおすすめです。
コミュニケーション支援ツールを活用する
日本語を解さない外国人の方が的確なコミュニケーションを取れるように支援ツールの導入を検討しましょう。例えば、イラスト等を指差して意思疎通を図る「コミュニケーション支援ボード」などの作成がおすすめです。
案内やマナーに関する情報の掲示
飲食の方法はそれぞれの文化が出やすいところです。周囲の方が迷惑に感じてしまうことがあれば、マナーに関する情報を掲示すると良いでしょう。
例えば、飲食店であれば食べ方のマナーなどのイラストや多言語で記載されたポスターを掲載する方法があります。また、案内表示板も日本語だけでは理解できずに困ってしまう方が出てきてしまうかもしれません。そのため、案内表示板も多言語併記にすると良いでしょう。
そのほか、エスカレーターのように遊んだり寄りかかったりすると危険な場所についても、多言語表記の注意喚起のポスターを掲示しておくとわかりやすいです。
さまざまな宗教・文化があることを理解する
宗教によっては、食べられないものや触れられないものなどがあります。飲食店ではメニューに何が使われているのか記載してあると、安心して利用してもらえます。
外国人観光客にも対応できる災害時の対策
日本は、地震や噴火、大雨による浸水など自然災害が発生する可能性が高い場所です。
いつ災害が起こってもおかしくないため、店舗では、外国人観光客にも対応できる災害対策が必要です。
ここでは、普段から利用しているお客様だけではなく、外国人観光客にも対応した災害時の対策について解説します。
災害発生時に外国人観光客への対応係を決める
もしものときは、従業員に従って安全な場所へと避難することが大切です。従業員に従って行動ができるように、対応係を決めておくと安心です。英語や中国語などを中心とした言語で対応を行う担当者を複数名選出しておきます。
対応係が決まれば、外国人観光客への対応も含めた、災害時対応訓練を行いましょう。
店舗周辺の避難場所を確認する
事前に、店舗周辺を確認しておきましょう。店舗周辺で豪雨や地震などによる2次災害が起こるのか、ハザードマップを確認します。また、地域の防災マップや行政のホームページから、店舗近くの避難場所も確認しておきましょう。
災害時に連携すべき店舗や事業者などを確認する
災害時に連携すべき店舗や施設、事業者を確認しておきます。例えば、英語対応ができる施設や近隣の大型商業施設・ホテルなどを確認し、災害時の協力を要請しておきましょう。
外国人観光客向けの情報収集先をリスト化しておく
各大使館や国際交流組織、各種交通機関、通用可能言語別の病院などの連絡先は事前にリスト化します。リストは、従業員にも共有し、災害発生時にどのように対応すべきかを考えて準備しましょう。
ピクトグラムの用意
実際に地震が発生した際、建物内の破損箇所への立ち入りやエレベーター・エスカレーターの使用はできません。このことを伝えるには、ピクトグラムが有効です。ピクトグラムは、一目でわかる図記号のこと。ピクトグラムを貼り出すことで、一目で危険であることがわかり、注意喚起に役立ちます。日本語がわからなくても状況がわかりやすく、国籍に関係なく理解することが可能です。災害時には、ピクトグラムを作成できないため、事前に用意しておくと安心です。
多言語の文例を確認しておく
地震が起こったら従業員の指示に従うことなど、災害時の呼びかけを多言語の文例で確認しておきましょう。何が起こったのか状況を説明できるように、前もって準備しておくと安心です。
店舗が備えておくべき防災グッズはこちらの記事で詳しくご紹介しています。
店舗が備えておくべき防災グッズとは?本当に必要なものリストと管理方法
陳列棚などの店内什器の安全対策も忘れずに!
陳列棚は、地震での転倒だけではなく、ぶつかったり寄りかかったりすることで転倒するおそれもあります。
陳列棚やフックなど店舗什器の転倒対策を行いましょう。また、店内什器にぶつかり怪我をしてしまうことも想定されます。ぶつかっても怪我がしにくいような環境にすることも大切です。
例えば、重いものや割れやすいものは高い位置には、設置せず目線くらいまたは、目線よりもしたに設置しましょう。重いものは、下におくことで陳列棚が転倒しにくくなります。
また、固定具は正しく利用しましょう。棚のネジは定期的にゆるんでいないか確認してください。
また、フックやブラケットの先端で怪我をしてしまわないように先端に保護キャップをつけるのも良いでしょう。
陳列棚の転倒防止は、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。
まとめ
今回は、外国人観光客にも対応できる店舗の安全対策や災害対策について解説しました。
訪日外国人が増加しています。店舗によっては、外国人観光客で賑わっている場所もあるかもしれません。日本の環境に慣れていない海外の方が訪れることで、思いがけない事故やトラブルにつながる可能性があります。注意喚起の表記は多言語にしたり、陳列棚が転倒しないよう安全対策を行ったりしましょう。
また、日本は災害が多い国です。日本人向けだけではなく、外国人観光客にも対応した安全対策を行う必要があります。
参考サイト
国土交通省 観光庁「訪日外国人旅行者の安全確保のための手引き」
https://www.pref.osaka.lg.jp/attach/26989/00000000/tebiki%20jichitai.pdf
2019 外国人観光客への災害時等対応マニュアル
https://www.my-kagawa.jp/static/bousai/pdf/manual_for_foreign_tourists2019.pdf
インバウンド対策とは?成功させるポイントと対策しないリスク | クラウド型デジタルサイネージのデジタルクルーズ
https://signage.digital-cruise.co.jp/column/inbound-measures/
訪日外国人の安全を守る「インバウンド安全・安心対策推進事業」の極意 – ハイタッチ・マーケティング ブログ
https://hmllp.blog/inbound-safety-and-security-measures-for-protecting-foreign-visitors-to-japan/