店舗のレイアウトに重要なゾーニングとは?売り上げにつながるゾーニングのポイント
2024.07.31店舗の安全管理小売店の店内は、商品の陳列や各機能をどこに配置するかといったゾーニングが重要です。ゾーニングとは、空間をテーマや用途に分けて考えることをいいます。さまざまな施設で使われ、店舗では売り上げにも関わる大事な部分です。
この記事では、店舗のゾーニングについて解説します。店舗のレイアウトを考えている方は、ぜひ参考にしてください。
ゾーニングとは
店舗のゾーニングとは、用途や店内のデザイン、スタッフの動線などを考慮して、店内の空間分割や配置を定めることです。商品を陳列する場所や客席、スタッフの立ち位置などの動線、各機能の配置を決めていきます。
例えば小売店舗では、シーズンものや新しいシリーズといった顧客の目を引き寄せたい商品のゾーン、定番商品のゾーンという風に店舗側の売りたい商品の優先順位を区分し、商品棚の並びや陳列方法を決めていきます。
ゾーニングによって、店内の雰囲気が変わることもあり、マーケティングの一環にもなるといわれています。
ゾーニングの重要性とは
店舗におけるゾーニングは、お客さまの体験を良くしたり、リピーターにつながったり、店内の雰囲気やイメージを壊さないためにとても重要です。
またゾーニングの方法によっては、事前に商品購入を目的として店舗に訪れる「計画購買」だけではなく、お客様が来店後に商品をみて衝動的に購入を決める「非計画購買」の可能性を高めることができます。非計画購買への検討が起こることで、自然と店舗の滞在率も上がり、多くの商品を見てもらえます。ゾーニングは、売り上げ向上にもつながります。
ゾーニングの方法
では、どのようにゾーニングを取り入れるのでしょうか。ここでは、店舗でのゾーニングの方法について簡単に解説します。
レイアウトをおおまかに考える
まずは、入店率を向上させるためのレイアウトを考えます。入店率を上げるためには、店舗の入り口周辺や店の奥、中央が重要になります。例えば、お客さまの目につきやすい入り口付近には、メニューや季節の商品、セール品など、衝動買いや来店につながるものを設置します。店内の奥の位置には、目的買いされやすい商品や、やや価格設定が高い商品を配置すると良いといわれています。
店内の中央には、お客さまが強い意思を持って購入する傾向のある商品を陳列します。スーパーであれば、生活雑貨や調味料などが当てはまります。
商品の陳列方法を考える
商品の陳列は、見つけやすく選びやすくすることがポイントです。見やすさと選びやすさを重視して陳列棚を配置しましょう。陳列方法としては、縦タイプのバーチカル陳列と横収納となるホリゾンダル陳列が主として挙げられます。
バーチカル陳列は商品をカテゴリごとに縦方向に陳列を行うことから、お客さまの目線ではなくても販売している商品をカテゴリごとに気づいてもらいやすい傾向にあります。ただし、特定の商品をアピールするのには向いていない陳列方法です。
ホリゾンダル陳列は、同じ目線の高さで横向きに配置します。そのため、商品を見渡しやすくなり、横向きの移動を促すこともできます。ホリゾンダル陳列は、特定の商品を見つけやすい陳列方法ですが、お客さまが商品カテゴリを見落としてしまう可能性があります。
商品の特性に合わせて陳列方法を決めると良いでしょう。
また、店内では、お客さまとスタッフ、お客さま同士での衝突や転倒の危険性があります。他にも商品が落下することによりケガにつながることもあるでしょう。そのため、通路でぶつからないよう余裕のある設計を行ったり、商品が落下しないような陳列を考えて安全対策を行ったりすることが大切です。
陳列棚の安全対策については以下の記事で詳しくご紹介しています。
店舗別!売り上げにつながるゾーニング方法
次に、ゾーニングが取り入れられている店舗とそれぞれのゾーニング方法を解説します。
飲食店
飲食店では、入店から退店まで、お客さんが快適に過ごせるような工夫が必要となります。そこで有効なのがゾーニングです。座りやすいテーブル・椅子の位置や、会計がスムーズにできる位置、通路で他の人とぶつからないような安全な空間の設計が必要です。また、お客さまの特徴によって過ごしやすい環境作りが欠かせません。
コンビニ
コンビニでも、ゾーニングが取り入れられています。コンビニでは、出入り口すぐの窓側に雑誌コーナーや店内飲食ができるイートインコーナーを設置することで、店内のお客さまが外から見え、他のお客さまが入りやすくなるといった効果があります。
スーパー
スーパーのゾーニングでは、レイアウトと商品陳列が重要となります。お客さまが通る通路の幅や動線をどう取るか、商品をどのようにカテゴリ分けしてどのような配置にするのかと決めます。商品陳列は、カテゴライズされた商品を縦配置・横配置どちらで並べると売れやすいのか、どの商品を隣に置けば良いのか効果的な売り上げができるのかを考えて陳列されていることが多いです。
アパレルショップや雑貨屋
アパレルショップや雑貨屋といった小売店舗では、店舗全体の印象が大切になります。そのため、店舗のゾーニングではファッション性やデザインも重視することが大切です。打ち出したい商品、定番の商品を区分けし、ゾーニングしていきましょう。また、商品は目につきやすく手に取りやすいよう配置する必要があります。
売り上げにつながる「ゾーニング」のポイント
ゾーニングを取り入れる際のポイントについて解説します。
複数の座席パターンを用意する
飲食店の場合は、客層に合わせていくつか座席パターンを用意しておきましょう。狙う客層によって座席のパターンは異なります。
例えば、子連れ家族を狙うのであれば、個室や半個室を用意すると安心して、利用できるようになります。カップルや友達同士での楽しい時間を過ごしてもらいたいなら、2人席やカウンターなどシチュエーションや雰囲気が異なる席を用意することでその日の気分や用途でリピート意欲にもつながるでしょう。
商品の特性に合わせる
雑貨屋やコンビニなどでは、商品の特性にあわせてゾーニングを決めていきます。商品の特性によって、購買行動が変わるため、より売れやすくなるよう配置する必要があります。
例えばコンビニでは、飲み物がほしい、お昼ご飯を買いたいなど目的をもって入店する方が多いです。そこで飲料やお弁当といった飲食品の配置を店内の奥にすることで、お客さまは目的の商品にたどり着くまでに他の商品を認知します。そうすることで、他の商品の購入意欲を刺激するきっかけを作ることができます。
動線を考慮する
店内は、お客さまとスタッフ両方の動線を考慮して、ゾーニングを考えるようにしましょう。人間の本能として、左回りをする習性があるといわれています。そのため、スーパーでは、左回りの動線になるように配置されているケースが多いです。この影響から、動線は左回りを意識すると流れがスムーズになりやすくなります。
また、お客さまとスタッフがぶつかってしまうと転倒やケガにつながる可能性があります。お客さまとスタッフは適切な距離が取れるように通路の幅にゆとりを持つことが大切です。
お店の雰囲気に合わせる
店内の内装の雰囲気に合わせることも大切です。例えば、ラグジュアリーで上品な雰囲気があるのであれば、ゆったりくつろげるソファーや座席を配置するとイメージに合った空間になります。店舗のコンセプトやイメージにあったゾーニングを取り入れることで居心地の良さにつながります。
まとめ:店舗のレイアウトはゾーニングがカギとなる
店内のレイアウトや商品の陳列の工夫は、お店の売り上げを左右することから、とても重要な部分です。店舗の売り上げが気になる方や、これからお店を開く方は、ぜひ店舗のゾーニングを見直してみることをおすすめします。
ロイヤルでは、現場支援を行っております。当社製品の搬入作業や組み立て作業を通して、店舗の改装や新装工事をスムーズに進めるお手伝いをしています。ぜひ、ご相談ください。
参考サイト
店舗デザインを作る時のゾーニングのポイント
https://www.shopdesign-planning.net/knowledge/zoning.html
売り場のレイアウトづくりは「お客様の動線」がカギ!店舗設計のポイントを解説 | コリドール CORRiDOR
店舗デザインは「ゾーニング」が重要!売上アップに繋がるポイントをご紹介 | コリドール CORRiDOR
ゾーニングとは?店舗レイアウトや陳列を見直して売上アップ| ショクビズ!
ゾーニングとは?売上アップにつながる店舗レイアウト・基本と業界別のポイント | 口コミラボ
https://lab.kutikomi.com/news/marketing/zoning/
飲食店店舗の設計における「ゾーニング」の重要性 | 株式会社クリアデザイン|想いに寄り添う店舗設計&店舗デザイン
商品陳列のコツは?売り上げアップにつながるポイントやテクニックを解説!【クリエイティブアルファ】
https://www.cafc.jp/column/column/014/