子供が起こしたトラブルで損害賠償に!?商品へのイタズラを防ぐ方法
2019.02.04子どもとのお買い物Q&A子供を連れて買い物に行くと、目を離した隙に商品にいたずらをしている場合があります。たとえば、果物に傷をつけたり、お肉のパックを指で破いたり、卵を割ったり。子供との買い物に疲れ果ててしまう親は多いかもしれません。そんな子供のいたずらに、「金銭的な損害は発生するの?」と考える方も多いはず。
以下では、子供がお店の商品にいたずらをしてしまった場合の損害賠償やトラブルを防ぐ方法についてご紹介します。
子供がお店の商品にいたずらをしてしまったら……
子供がお店の商品にいたずらをしてしまっても、「子供のしたことだから許してもらえるでしょう」と考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、いたずらによって実害が発生した場合、お店に対する損害賠償の責任が生じます。
たとえば商品のパッケージを開けてしまったり、商品の容器を著しく変形させてしまったりすると、その商品はもう売り物になりません。そのため、いたずらをしてしまった子供の親は、その商品を買い取るなどお店に対して損害賠償をしなくてはならないのです。
いたずらじゃなくて「うっかり」なら大丈夫?
子供が故意にいたずらをしたのではなく、うっかり商品を落としてしまったり、つまずいて棚にぶつかったりしてしまった場合はどうなるのでしょうか。
「わざとじゃないから大丈夫」と思う方もいるかもしれませんが、民法上では故意ではなく「過失」による損害の場合も、損害賠償義務が発生すると定められています。
子供がわざといたずらをしたわけではなくても、トラブルによって実害が発生すれば、損害賠償になる可能性は十分にあるのです。
子供のトラブルによる損害賠償事例紹介
では、実際にどのようなトラブルで損害賠償請求が発生しているのでしょうか。ここでは、2つの事例をご紹介します。
倒れて割れた鏡の損害賠償請求を受けた事例
母親と一緒に買い物へ来ていた子供が、店内に設置してある鏡に手を触れたところ、鏡が倒れてきて割れたという事例です。幸い、子供に怪我はありませんでしたが、店側から鏡の代金を弁償してほしいと言われたということです。
カートが倒れて破損したテレビの損害賠償請求を受けた事例
電気量販店で子供を買い物用カートに乗せていたところ、何らかの原因でカートが倒れ、展示されていたテレビに子供が頭をぶつけてしまいました。子供も打撲による怪我を負いましたが、テレビが破損してしまったため、店側から弁償を求められたとのこと。
子供のいたずらを未然に防ぐには
子供がいたずらをしてしまった商品が高級品であった場合、家計に大きな負担が生じます。それを防ぐためにも、子供のいたずらは未然に防ぐことが大切です。
子供のいたずらを未然に防ぐには、以下の方法があります。
しっかりと言い聞かせる
ある程度聞き分けられる年齢の子供であれば、買い物の意味をあらかじめしっかりと言い聞かせることが大切です。無理に親の側を離れさせないようにするなど子供の行動範囲を抑制するのではなく、子供の分かりやすい言葉で言い聞かせることで、理解できるようになります。
子供用のカゴを持たせる
近年、お店の入り口などに子供用の小さなカゴを置いているお店が増えています。この小さなカゴも、子供のいたずらを防ぐアイテムとなるのです。
子供に小さなカゴを持たせ、そのカゴに何か商品を入れることで、子供は「これをレジまで運ばなくては」という使命感を持ちます。「きゅうりを見つけたらカゴの中に2本入れてね」など、商品を探してカゴに入れるところからお願いしても良いでしょう。子供に買い物を手伝うように促し役目を与えることで、子供は買い物自体を楽しめるようになるのです。
また、子供は買い物が楽しめると同時に、買い物の仕方やルールなども自然に学べるようになります。買い物を手伝ってくれた後は、しっかりと感謝を伝えて褒めてあげるようにしましょう。
買い物中の子供のトラブルの再発を防ぐには
子どもが買い物中、商品にいたずらをしたり店内を走り回って棚や人にぶつかったりといったトラブルを起こしてしまった場合、同じようなことが起こらないようにする必要があります。
では、子供の買い物中のトラブルの再発を防ぐためにはどうすれば良いのでしょうか。
トラブルの後はしっかりと叱る
トラブルの再発を防ぐには、まずしっかりと叱ることが大切です。
子供を叱るときには、感情的にならないよう、できるだけ冷静に伝えるよう心がけましょう。感情的に話をしてしまうと、子供は「怒られた」という状況だけを記憶してしまいます。話の内容をしっかり理解してもらうためにも、「怒らずに叱る」ことを意識してください。
話をする際は、なぜいたずらをしてはいけないのかを、子供でも理解・納得できる理由で説明します。
たとえば、「お店に並んでいる果物に傷をつける」といういたずらがなぜいけないのかを説明する場合、「お店の人に怒られるからやっちゃダメ」「お母さんがお店にお金を払わなくちゃいけなくなる」といった理由だけでなく、「果物に傷をつけると、その部分は傷んで食べられなくなってしまう」「農家の人が大切に育ててくれた果物にいたずらをするのは、農家の人に失礼」など損得以外の理由も話してあげると、子供の納得感が高まるでしょう。
トラブルなく買い物できたときは褒める
トラブルがあった後に子供と一緒に買い物へ出掛けたとき、何のトラブルもなく無事に買い物を終えられたら、子供を褒めてあげましょう。
「今日はいたずらしないでお買い物ができたね。おかげでお母さんも落ち着いて買い物ができたよ、ありがとうね」といったように、肯定的な声掛けをしてあげてください。「何事もなく買い物ができる」という当たり前のことを褒めるのは抵抗があるかもしれませんが、こういった声掛けの積み重ねで、子供の「いたずらをしたい気持ち」が収まっていくかもしれません。
子供を預けて買い物に行くのもひとつの手
よく言い聞かせていても、やっぱり買い物中に子供が商品にいたずらをしたり走り回ったりして大変……という場合は、買い物に子供を連れて行かないようにするのもひとつの手です。子供を家族に見てもらったり、子供が幼稚園や学校に行ったりしている間に買い物を済ませてしまいましょう。
毎日の買い物の度に預けるのは難しくても、高額な商品の買い物に行くときだけでも子供を預けるようにすれば、高額な損害賠償のリスクは減らせます。
年齢を重ねれば次第に落ち着きが出てきて、一緒に買い物を楽しめるようになるでしょう。
「個人賠償責任保険」への加入もひとつの手段
子供がお店の商品にいたずらをした場合、それが高額であればあるほど親の精神的負担や経済的負担は大きなものとなります。そういった親の負担を未然に避けるには、「個人賠償責任保険」への加入もおすすめです。
個人賠償責任保険に加入すると、お店の商品に損害を与えた場合だけでなく、他人の所有物を壊してしまったり、他人に怪我をさせたりした場合も保険の対象となります。
火災保険や自動車保険などの保険に付帯している場合も多いので、現在加入している保険の契約状況を確認してみると良いでしょう。
まとめ
今回は、子供が買い物中に起こしたトラブルの損害賠償や、いたずらを未然に防ぐ方法をご紹介しました。
わざといたずらをした場合でも、うっかり商品を落としてしまった場合でも、商品や人に実害が生じた場合は損害賠償が発生します。
自分自身はもちろん、子供や家計を守るためにも、さまざまな対策を講じて子供のいたずらを未然に防ぎましょう。