エスカレーター事故が起こる原因は?子どもに教えたい安全な乗り方
2018.12.14子どもを事故から守るために
お店や駅などに設置されているエスカレーター。階段を使わずに登り降りができる便利なものですが、自動で動く機械ゆえに、指や足を挟んだり転倒したりといった事故が発生してしまうこともあります。特に子どもはエスカレーターの動きにうまく対応できず、事故に遭ってしまう確率が高くなっています。
以下では、子どものエスカレーター事故事例から、安全な乗り方について考えます。
子どものエスカレーター事故。実際にどのような事故が発生しているのでしょうか。
ここでは、4つの事故事例をご紹介します。
事故事例1「エスカレーター付近で遊んでいて……」
子どもを買い物中に待たせていたり、目を離したりしている隙に起きやすい事故です。エスカレーター付近で子どもが遊んでいるうちに、手すりの巻き込み口などで手や指を挟んでしまい、怪我をするケースが報告されています。
エスカレーター付近で遊ぶと、事故の危険性はもちろん、他の買い物客の迷惑にもなってしまいます。小さな子どもはできるだけ目を離さないように注意しましょう。また、子どもを待たせる場合もエスカレーターの危険性を教え、エスカレーター付近で遊ばないようによく言い聞かせることが大切です。
事故事例2「うまくエスカレーターに乗れなくて……」
大人になると当たり前のように乗っているエスカレーターですが、「幼い頃はうまく乗れるかどうかドキドキしながら乗った」、という方も多いのではないでしょうか。小さな子どもにとってエスカレーターはかなり難しい乗り物です。怖がっているうちにタイミングを逃し、乗り口や降り口で転倒してしまう事故が発生しています。
子どもがエスカレーターに完全に慣れるまでは、エスカレーターに乗る際には手をつないで乗ってあげるようにしましょう。荷物が多くて手をつなげない場合やエスカレーターが混んでいる場合には、無理をせずエレベーターや階段を使うことも大切です。
事故事例3「サンダルが挟まれて……」
サンダルや長靴の中には、ビニール樹脂など柔らかい素材でできているものもあります。そうした素材の靴はエスカレーターの側面や巻き込み口などに挟まれやすく、事故の原因になっています。
エスカレーターに乗っているときは、子どもをステップの中央に立たせるように気をつけ、履いているものが巻き込まれないように注意しましょう。
事故事例4「手すりから身を乗り出して……」
エスカレーターの手すりに寄りかかったり、エスカレーターの外のものに気を取られて手すりから身を乗り出したりすることにより、天井や壁にぶつかるなどの事故が発生しています。
エスカレーターに子どもと乗る際には、手すりから身を乗り出すようなことがあればすぐに注意できるように子どもから目を離さないようにしましょう。
エスカレーター事故が起こる原因は?
ここでは、エスカレーター事故の原因をご紹介します。
事故原因1「エスカレーター付近で子どもが遊んでいた」
エスカレーターの近くで遊んでいると、ふとした拍子に動いている手すりや巻き込み口に触れてしまうことがあり、事故の原因となりかねません。
事故原因2「子どもの1人乗り」
小さな子どもが保護者と手をつながずに1人でエスカレーターに乗っていると、万が一転倒した際にすぐに起き上がることができず、大変危険です。
事故原因3「ベビーカーのままエスカレーターに乗っていた」
子どもをベビーカーに乗せたままエスカレーターに乗っている姿を見ることがありますが、これは大変危険な行為です。何かに気を取られて手を離したり、エスカレーターの後方から歩いてきた人がぶつかったりしたら、すぐに転倒してしまいます。
事故原因4「手すりから身を乗り出して乗っていた」
手すりから身を乗り出してエスカレーターに乗ると、壁や天井にぶつかる事故のほか、エスカレーターからの転落事故も起こりえます。
事故原因5「黄色い線からはみ出して乗っていた」
エスカレーターの端の黄色い線の上に足を載せて乗っていると、靴がエスカレーターに巻き込まれてしまうことがあります。
事故原因6「スカートやズボンの裾、靴ひも、マフラーが巻き込まれた」
着ているスカートやズボンの裾が床についていると、エスカレーターに巻き込まれてしまいます。靴ひもがほどけていたり、マフラーを長く垂らしたり手に持ったりしている場合も、同じように事故の原因となることがあります。
事故原因7「手すりにつかまっていなかった」
直接的な原因ではありませんが、歩いて上り下りする人が肩に当たってきたり、エスカレーターが緊急停止したりした際、手すりにつかまっていたかどうかが明暗を分ける場合があります。
子どもに教えるべき正しいエスカレーターの乗り方
大人でも、ちょっとしたときにヒヤッとすることのあるエスカレーター。子どもによるエスカレーター事故は多く、中には命を落としてしまったり、指を切断してしまったりする子どももいます。日常的に利用しているからといって油断せず、注意して利用するようにしたいものです。
子どもにもエスカレーターの危険性をしっかりと言い聞かせ、正しい乗り方を教えてあげましょう。正しい乗り方のポイントは「手すりに正しくつかまる」「黄色い線の内側に乗る」「エスカレーターに乗る際はふざけない」の3点です。エスカレーターに乗る都度言い聞かせ、正しい乗り方を身につけさせてあげてください。
また、子どもと一緒に乗る際は、保護者側も十分注意を払う必要があります。
子どもと一緒にエスカレーターに乗る際は、手をつないで乗りましょう。できれば子どもと横並びで乗ることが望ましいですが、現実的には横並びで乗ると逆に危険なことがあります。急ぐあまり背の小さい子どもに気づかずに駆け上がったり、子どもの存在に気がついていても体の小さい子どもなら脇をすり抜けられると思って駆け下りたりする大人がいるためです。特に駅のエスカレーターでは急ぎ足で上り下りする人が多いので、注意が必要です。
横並びで乗ることが難しい場合は、子どもと前後に並ぶ形で乗ると良いでしょう。子どもが転倒や転落した場合に備えて、上りのときには子どもを自分の前の段に乗せ、下りのときには自分の後ろの段に乗せて保護者が後ろ向きで乗ることをおすすめします。ただし、下りのときは自分が後ろ向きのため、自分自身が危険にさらされる場合もありますので注意しましょう。
エスカレーターに乗ったり降りたりすることがまだ難しい、小さい子どもと一緒に乗る場合は、エスカレーターに乗る間は抱っこをしていたほうが良いかもしれません。抱っこをする場合も、子どもが手すりに触れないよう注意をしましょう。
まとめ
今回は、子どものエスカレーター事故について、事故事例や事故が起きる原因、安全な乗り方をご紹介しました。
大人は何気なく利用しているエスカレーターですが、体のバランスが悪く転びやすい子どもにとっては、思わぬ危険が潜んでいる場所です。好奇心の旺盛さが仇となり、手すりや巻き込み口に手を触れてしまい、大きな事故となる可能性もあります。
子どもと一緒のお出かけでエスカレーターに乗る際は、その危険性を十分に認識し、安全な乗り方を心がけてくださいね。