防災やコロナ対策の備蓄におすすめ!ローリングストックのやり方とコツ

2020.10.23子どもを事故から守るために
Pocket

災害大国といわれる日本。いつ起きるかわからない事態に備え、非常食などの備蓄をすることが防災対策の第一歩とされています。

また、新型コロナウイルス感染症の流行で家にいる時間が長くなり生活を見直す機会が増えたことからも、「家庭備蓄」に高い関心が寄せられています。

 

その一方、「何から始めればいいのかわからない」「やろうとしたけど失敗した」など、備蓄を難しいものと考えてしまう人も少なくありません。

このような問題を解決するカギが「ローリングストック」の考え方です。

 

ローリングストックをおすすめする理由

ローリングストックは、一言でいうと「先入れ先出し」の在庫管理方法。普段使っている食品を少し多めに買い置きして、先に買ったものから使い、使った分だけ買い足すことで、一定の量を備蓄しようというわけです。

 

「いつもの備蓄」に安心がプラスされる

ローリングストックを行うことで、普段の生活の延長線上で備蓄を充実させることができます。一般的な備蓄方法だと、備蓄品をどこに置いたのかを忘れてしまったり、気が付いたときには賞味期限が切れていたりといったトラブルも起きがちですが、ローリングストックの場合はいつもの食品をちょっと買い足すだけ。備蓄に必要なスペースも費用もそれほどかかりません。

また、使い慣れたいつもの食品や日用品があることは、非常時の安心感にもつながります。

 

災害時やコロナ対策以外にも役立つ

ローリングストックは、さまざまな非常事態に役立ちます。災害で物流が止まったときやコロナ対策で外出を控えたいときだけでなく、自分の体調不良や家族の看護で身動きできないとき、仕事が忙しくて買い物に寄れないときなどに「いつもの食品がさっと使える」ローリングストックの備蓄は重宝します。

 

基本から解説!ローリングストックのやり方

ローリングストックの基本はとてもシンプル。ただ、長く続けるにはそれなりの「コツ」が必要なので、ポイントをおさえておきましょう。

 

ローリングストックの基本は「食べたら買い足す」

ローリングストックは、「先に買ったものから食べる/食べたら買い足す」の繰り返しで備蓄(ストック)を回転(ローリング)させていきます。

賞味期限の短いものから食べ、その分を新しく買い足す方法なので、防災用の3年や5年といった長期保存ではない1年程度の常温食品を備蓄にでき、バリエーションが広がります。

 

ローリングストックの目安は「3日+α」×人数分

災害が起きたときの備蓄は、最低で3日分、できれば7日分といわれています。大規模な災害になると被災地への支援物資が到着するまでに3日くらいはかかってしまうことや、物流が止まると1週間程度は商品が届かなくなる可能性があるからです。

このため、ローリングストックの備蓄量の目安は、「家族が3日以上買い物しなくても家にあるもので食べたり飲んだりできる量」を目安に買い置きすることになります。

 

「日常食」「非常食」「携帯食」を家族のスタイルに合わせて準備

備蓄食品には、いつも使っている「日常食」と、災害がきたら使う「非常食」とがあります。また、外出するときに持ち歩く「携帯食」もあります。

非常食や携帯食は、ガスや電気が止まって食材を温めたりできない状況を想定しており、そのまま食べることができるものが主流です。非常持出袋に入れる場合は携帯食が便利でしょう。日常食は味付けや食材のバラエティに富んでいるため、うまく組み合わせることでバランスの良い食事になります。

乳幼児やアレルギーのある人、持病がある人など、非常食では補いきれない事情のある場合も、食べ慣れた日常食のストックが欠かせません。

 

ローリングストックにおすすめの備蓄食料5選+α!

それでは、具体的にどのようなものを備蓄していけば良いか、食品の形態別にいくつかご紹介しましょう。

レトルトパウチ食品

遮光性の袋に詰めた食品を高圧加熱して殺菌したもので、カレーや丼の具、パスタソース、雑炊など見慣れたものも多くあるでしょう。お湯につけて温めるだけで良く、そのままでも食べることができるものも多いので重宝します。

 

缶詰

レトルト食品より保存期間が長いため、缶詰パンなど防災用の食品もたくさん出ています。お惣菜の缶詰などは、缶を容器代わりにして直接食べることもできる点も便利。

ただし、直火にかけるとコーティングが溶け出すおそれがあるため、取り扱いには注意が必要です。

 

フリーズドライ食品、アルファ米

フリーズドライ食品は、軽くて小さいためストックしやすいのが特徴。お湯を注ぐとできあがる味噌汁や雑炊などいろいろ出回っています。

そのほか、アルファ米といって、水やお湯を注ぐだけで柔らかなご飯ができる防災食もあります。混ぜご飯やおかゆなど種類も豊富になってきているので、一度試してみると良いでしょう。

 

乾物・乾麺、お菓子など

防災食からはイメージが遠いかもしれませんが、水に浸して戻すことができる乾物やゆでて使う乾麺、ジャムやドライフルーツなど常温で日持ちするものも立派な保存食。普段から使い慣れておけば、いざというときにも慌てません。

そのほか、ビスケットやクラッカー、キャンディなどのお菓子も、災害で重くなりがちな気持ちを和らげるのに役立ちます。

 

飲用と調理用を合わせて1日あたり1人3リットル必要とされているため、3日以上の備蓄にすると2リットル入りのペットボトルで4本程度必要になります。3人家族だと12本。6本入りの箱を常に2箱は買い置きし、1箱開けたら次の箱を買い足すといったイメージでストックを回していきます。

 

おまけ:熱源、電源、日用品など

発熱剤を使って温めることのできる防災食もあり、被災直後に温かい食事をとって落ち着くのに便利です。ただ、すべてをそのタイプにするのはかさばりますし値段も張ります。

電気やガスが止まっても簡単に温められるよう、カセットコンロやボンベ、温め用の鍋ややかんなどもセットして備蓄しておきましょう。

 

ローリングストックが難しいと感じる原因は?

誰でも始めやすいローリングストックですが、実際に揃えようとすると、意外と量が多いことにうんざりしてしまうかもしれません。

1日3食、最低限とされる3日分備蓄すると3人家族で27食、4人家族で36食。7日分買い置きすれば3人家族で63食、4人家族だと84食。膨大な数になり、保管の難しさが出てきます。

 

置き場所がない

よく聞かれるのが、数量が多くなって置き場所がなくなるという問題です。取り出しやすいスペースには限りがあるため、入り切らないものは納戸の奥や天井近くの戸棚などに押しやられてしまいます。

出しづらいところに置いたものは入れ替えも面倒になり、ストックの管理に疲れてしまいうわけです。

 

食べ忘れて期限が切れる

取り出しにくいところは目につきにくいところでもあり、備蓄したことを忘れてしまって気づいたときには賞味期限が切れていた、ということもよくあります。

また、つい面倒になって目についたところへ仮置きする保管を繰り返していると、奥のほうの食品を使いそびれて期限切れになってしまうこともあります。

防災用の食品は数年単位の賞味期限があるので、まだ大丈夫と油断し、かえってだめにしてしまったという話も聞きます。

 

おいしくない

「インスタント食品は非常用のものだから普段の食事ではあまり食べない」という家庭の場合、味付けが濃すぎるように感じたり食感に違和感を持ったりすることがあります。食べたがらないでいるうちに賞味期限がきたり、非常時に初めて食べてみたところ口に合わなかったりといった可能性もあります。

 

ローリングストックを続けるコツ

ローリングストックを長く続けるコツは、「おいしく楽に管理する」こと。次のような管理方法を意識し、家族みんなでストック管理していくという気持ちを持つのがポイントです。

 

分散配置で「定位置」を決める

食品専用のスペースをしっかり確保できる家庭はむしろ少ないでしょうから、食品のスタイルに応じて「分散配置」を行いましょう。災害で家が被災したときに通路がふさがれ、備蓄場所へ行けなくなってしまう危険性もあるため、分散配置することでリスク分散にもなります。

ここでのポイントは保管場所の中での「定位置」を決めること。米や水など重くてかさばるものは下段、缶詰やレトルト食品などは中段、フリーズドライや乾物、菓子類など軽いものは上段というように、重さや使う頻度に合わせて、棚やカゴなどで仕切りながら格納する場所を決めることをおすすめします。おおまかで良いので、同じ場所から食品を取り出すクセをつけましょう。

 

コンビニ配列方式で「見せながら」使う

先入れ先出しになじむよう、新しいものを奥に入れ、手前から使うという流れができる収納方法にすると良いでしょう。コンビニの棚が後ろに新しい商品を入れて手前に賞味期限の早いものを並べているイメージです。

食品棚や引き出しに細長いトレーや仕切りカゴを入れて1列にするなど、ひと目でわかるようにすると子どもでも簡単に理解でき、迷わず取り出すことができるようになります。

 

「品評会」「アレンジ大会」を定期的に開く

普段の食事に使った食品を補充する形式のローリングストックは、うまく回るようになると「在庫一掃処分」のようなことは起きないはずですが、防災用に揃えた非常食や携帯食などは定期的に試食会を開いて、味に慣れておくことをおすすめします。

定期的に備蓄品の点検を兼ねて防災食の品評会を開き、どんな食べ方がおいしいかを話したり、アレンジ大会を開いておいしさを競ったりして、防災食を楽しみながら使いこなせるようになりましょう。

月に1回家族で楽しむイベントにアレンジしながら確認しておけば、膨大な食品の賞味期限をいちいちメモする手間も必要ありません。

 

まとめ

ローリングストックは、日常生活にプラスアルファで食の楽しみを加える備蓄方法です。

自然災害だけでなくコロナ対策にもなり、普段の買い置きが充実するローリングストックのコツをマスターし、無理なく楽しく家庭備蓄を進めていきましょう。

高度な専門性と幅広い知識で商空間と住空間を演出

カタログダウンロード

タグ : 防災 ローリングストック おすすめ
Pocket