知っておこう台風対策!窓の補強や食料備蓄など台風への備え方
2020.10.23子どもを事故から守るために毎年のように日本のどこかで台風被害のニュースが流れています。強い勢力のままやってきて「数十年に一度」の大雨や暴風になるという「特別警報」も、よく耳にするようになっています。
あなたの地域もいつ台風に襲われるかわかりません。窓の補強方法や食料備蓄などの台風対策の基本を知って、普段から台風に備えておきましょう。
台風が及ぼす被害とは
台風による災害は「暴風」と「大雨」の影響により、次のような被害が発生します。
暴風でものが飛ぶ
台風の一番の特徴は風の強さ。台風情報でよく聞く風速40mは時速に換算すると140km、最大瞬間風速60mだと時速214kmと、新幹線並みのスピードで風のかたまりが吹き付けます。
屋根がめくれたり、風圧や飛来物で窓ガラスが割れたり、車が横転したりと、暴風でさまざまなものが飛ばされてしまいます。
停電が起きる
電柱が傾いたり、街路樹が倒れて電線を切ったりすると停電が起こります。2019年の台風15号のときは送電線が倒れ、広範囲で長期間停電してしまいました。
マンションなどで停電した場合、照明やエレベーターが使えなくなるだけでなく、貯水タンクを動かすポンプが停止して断水するなど、被害が連鎖します。
大雨で河川のはん濫・土砂災害が発生する
台風は、短期間で一気に大雨をもたらすため、河川がもちこたえられず、堤防がはん濫したり、決壊したりします。
また、山や斜面の土が耐えきれなくなると土砂を含んだ鉄砲水が流れ出す土石流や、がけ崩れ、地すべりなどの土砂災害が発生し、広い範囲で大きな被害となります。
沿岸部は高波・高潮にも注意
台風の急激な気圧の低下は海面を吸い上げ、10mを超えるような高波を発生させることがあります。
さらに強風によって異常に高くなった波が海岸に吹き寄せられて海岸堤防を超え、一気に浸水する現象を高潮といい、満潮の時期と重なると大きな被害をもたらします。
交通や物流が止まる
暴風、大雨により、交通機関が運行を停止し、高速道路が通行止めとなって流通が止まります。移動速度の遅い台風や勢力の強い台風で被害が長引くと、スーパーやコンビニに商品が入らないという二次的被害も起きます。
今日から始めよう。日常生活の中でできる台風対策
日本国内での台風被害は毎年のように発生しています。普段の生活の中でできることから台風対策を始めましょう。
ハザードマップを確認する
ハザードマップとは、地図に浸水や土砂災害などの起きやすいところや避難場所などの情報を重ねて示したものです。市区町村で紙のマップを作っていることも多いですし、各ホームページにも掲載されています。
地域によってはスマートフォンのアプリも出ています。使い勝手の良いものを普段から触っておきましょう。
国土交通省では各自治体ハザードマップを検索できるポータルサイトを公開しているので、ぜひお住まいの地域のハザードマップを探してみてください。
国土交通省 ハザードマップポータルサイト
ハザードマップを見るときは、被災の可能性だけでなく避難場所がどのあたりかを確認するのも忘れないように。浸水しないエリアを通る安全なルートはどれか、指定されている避難場所がどのような施設かなど、気候の良いうちに実際に歩いて確かめる「防災散歩」もおすすめです。
防災気象情報を取れるようにする
気象庁の台風情報は5日先までの予報が発表されます。普段から気象情報や防災情報などのWEBサイトやアプリを使い、情報に見慣れておきましょう。
2つ以上の連絡手段をもっておく
台風などの気象災害では数日間の準備期間があるとはいえ、災害発生時に家族全員が自宅で一緒にいるとは限りません。停電や通信規制でいつもの連絡手段が使いづらくなる可能性もあります。
離ればなれになっても連絡がとりあえるよう、電話会社が設置する「災害用伝言ダイヤル(171)」などのサービスに慣れておくことをおすすめします。体験利用ができる期間もあります。詳しくは、ご利用中の電話会社のWebサイトや総務省のWebサイトで確認してください。
総務省 災害用伝言サービス
https://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ictseisaku/net_anzen/hijyo/dengon.html
食料、日用品、電源、熱源などを備蓄する
大きな台風ほど、接近する前から雨も風もひどくなります。直前に慌てて準備しようとしたときにはすでに外に出ることが難しくなっているかもしれません。この記事の最後の項目に具体的な備蓄のポイントを挙げています。早めにチェックし、揃えておきましょう。
窓や車を守ろう!家の外の台風対策
台風は、地震や噴火と違い、事前に進行方向や勢力などの状況がある程度予測できることから、あらかじめ対策を取ることができます。外回りの台風対策は、暴風と浸水の影響を抑える方法を考えましょう。
玄関まわり・ベランダの飛ばされそうなものは室内へ
物干し竿は下におろして寝かせ、自転車やプランターなどは家の中に入れます。プロパンガスなどの外回りの設備が固定されているか、屋根やひさしが劣化したりめくれたりしていないかも確認しましょう。また、雨対策として、雨どいに枯れ葉や砂が詰まっていたら掃除しておいたり、排水が悪い場所など浸水しそうなところは土のうでふさいだりしておきます。
窓にも台風対策を!ダンボール・養生テープの使い方
シャッターや雨戸があればしっかり閉めましょう。ない場合は、ダンボールを窓枠ぴったりの大きさにして養生テープや粘着テープで全体を保護するように貼り付けます。
外側からだけでなく室内側からも保護しておくと、ガラスが割れたときの飛散防止にもなります。ダンボールが足りない時は新聞紙でも多少は補強の効果があります。
ガラスの飛散防止には、フィルム・カーテンも活用しよう
万一ガラスが割れても破片が飛び散らないよう、飛散防止フィルムや防犯フィルムを貼っておくのも効果的です。カーテンもしっかり閉め、できるだけ窓から離れたところにいるようにします。
ガラスに直接粘着テープやOPPテープを米の形に貼り付ける方法もいわれますが、ガラス強化の効果はありませんし、剥がす時に粘着面が取れず困ることもありますから注意してください。
車にも台風対策をしておこう
シャッターがしっかり閉まるガレージに入れたり、カバーをかけて少しでも飛来物から守ったりする風対策も重要ですが、それ以上に気をつけたいのが車の浸水対策。浸水した車は漏電で火災が発生したり感電したりと、とても危険で修理が大変です。駐車場所が浸水する可能性のある場合は、別の場所への移動や立体駐車場の利用など車の避難を考えましょう。
室内もしっかり対策を!家の中の台風対策
家の中の台風対策は、停電、排水、備蓄を中心にチェックしておきましょう。
停電対策
スマートフォンのモバイルバッテリーなどが充電式であればフルチャージしておきます。乾電池で使える充電器もあると安心です。自宅でテレワークする可能性があるなど、ノートPCで充電の必要があれば、ポータブル発電機なども揃えておきましょう。
また、窓をふさいでいると昼間でも暗くなるため、照明は必須です。懐中電灯やランタンなどを用意しましょう。充電式より乾電池式のほうが安心です。
オール電化の場合、停電するとお湯を沸かすことすらできなくなります。カセットコンロなど別の熱源を用意しておきましょう。
トイレ対策、排水対策
台風の大雨で河川が増水すると排水が逆流し、トイレや浴室、洗濯機の排水口などから突然水が吹き出ることもあります。ポリ袋に水を入れた水のうを作り、穴をふさいでおきます。
また、排水に問題が生じるとトイレが使えなくなります。被災時の生活でもトイレ問題は大きな問題になると言われています。数日間の人数分、携帯トイレを備蓄しておくのを忘れないようにしましょう。
水・食料対策
台風が近づくと店頭から商品が消えることも増えているため、早めに食料品や水・日用品を揃えておきたいところです。次のところで備蓄について詳しく説明しています。参考にして台風に備えましょう。
台風対策にはこれ!食料品・日用品の備蓄ポイント
台風対策の備蓄のポイントは、台風が通過するまでと停電や物流停止の間をしのげるだけの食料品や飲料、日用品、電源を用意しておき、自宅から出ないで過ごす「在宅避難」ができるようにすることです。
災害時の備蓄の基本は3日分
災害時の備蓄は最低で3日分といわれています。これは、大きな災害が発生したときに国から被災地へ支援物資が届くまでに3日くらいはかかってしまうため、自力で生き延びるための目安とされています。
大きな台風の場合は物流ストップが長期化する可能性もあり、7日くらいは用意しておきたいところです。特に、赤ちゃんや子どもの年齢に合わせたもの、女性用品など、すぐ手に入るか不安なものは多めにストックしておきましょう。
食料品・日用品の備蓄は「ローリングストック」方式で
やみくもに備蓄を揃えようと思っても、収納場所や管理方法などで失敗することも多いものです。
備蓄品は、普段から使うものの買い置きに1~2日分をプラスして、使いながら備蓄する「ローリングストック」の考え方で揃えておくことをおすすめします。
ローリングストックについては以下の記事で詳しく説明しています。
https://www.royal-co.net/column/shopping-children-qa/rolling-stock-method
台風直前になると売り切れやすいものをチェック!
台風の接近がニュースになると、お店から次々と商品がなくなっていきます。台風発生が発表されたばかりのタイミングで次のような備蓄をチェックし、補充しておきましょう。特に売り切れになりやすいものを挙げておきます。
・水、レトルト食品、カップ麺などお湯だけで食べられるもの
・乾電池、モバイルバッテリー、電池式のライト、カセットコンロとボンベ
・窓に貼るシート、ブルーシート、養生テープ
・携帯トイレ、トイレットペーパーなどのトイレ用品
このほか、避難場所での感染症対策にも使える衛生用品(マスク・ウエットティッシュなど)も要注意です。
まとめ
近年は大型で強い勢力の台風が毎年日本のどこかを襲ってきます。一方、気象予報の精度が向上し、台風の進行方向や勢力を予測しながら早めに準備できるようになってきました。
台風対策は、暴風と浸水による被害の特徴を知り、効果的に情報や備蓄を揃え、影響を最小限に抑えることが基本です。家族みんなで何ができるかを話し合い、台風被害に備えておきましょう。