お客様に怪我をさせてしまったらどう対応すべき?

2020.04.13緊急事態への対策
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対応を考える従業員

店舗内で事故が起こったとき、店舗スタッフの対応次第で、お客様から店舗への評判は大きく変化します。

怪我人に対して適切で素早い対応ができた場合は、お客様からのお店への評判が良くなります。しかし、適切な対応ができなかった場合は、お客様からの信頼を大きく失うことになるでしょう。

なぜならば、緊急事態が自分の身に起こったときに、適切な処置を行ってはくれない、命を預けることができない店舗だと思われてしまうからです。たとえば飲食店ならば、料理の味やサービスに力を注いで高いクオリティを誇っていても、そういったトラブルが原因で評判が落ちてしまう可能性もあります。

しかし、そのような事故は「心構え」を持つだけで、未然に防ぐこともできます。そこで今回は、お客様に怪我をさせてしまうなどのトラブルが起きた際の心構えと行動についてご紹介します。

店舗ではどんな怪我が起こりうる?

店舗内で起こり得る事故としてはさまざまな種類のものが考えられます。

衝突や商品の落下

つまづいた女性従業員

例えば、飲食店の場合はスープや鉄板焼きなど、非常に高温になっている食事を運んでいるスタッフがいます。誤ってお客様とぶつかった場合、火傷など傷跡が残るような大怪我をさせてしまう可能性もあります。

また、棚や衝立などを置いてある場合、小さな子どもが走り回ってぶつかることもあるでしょう。その他にも、混雑している店内では狭い通路や曲がり角などで従業員と接触したり、陳列棚に接触して商品やインテリアが落下したりするという事故も考えられます。

幅広い年齢層が利用する店舗であれば、その分注意すべき点も増えます。

滑って転倒

雨や陳列している商品の水分で床が濡れている場合、お客様が足を滑らせて転倒することもあります。特に魚や冷凍食品を扱うエリアや、雨天時の店内では事故の危険性が高まります。お客様が商品を落として床を濡らしてしまうこともあり、知らない間に転倒しやすい状況になっているケースもあるため、こまめな店内チェックが必要です。

お客様の怪我に対して迅速に対処するために必要なこと

お客様が怪我をする事態が発生した際に、スタッフが迅速に対処するためには、店舗がスタッフ教育のひとつとして、事故対処のための具体的な行動とその予防策を全スタッフに周知徹底させなくてはいけません。

一般的に、人は想定外のトラブルが起こると、正常な思考判断ができなくなります。そのため対処のスピードが落ちたり、正確な対処方法が選べなかったりすることがあります。その結果として、被害を拡大させてしまう、というケースがあるのです。

そういったケースに陥らず、落ち着いた態度で、適切にトラブルを処理することができるようになるには、ある程度の慣れが必要です。

対応マニュアルを作成し、スタッフに周知する

対応マニュアル

例えば飲食店で起こり得る事故には、お客様が食事中にナイフで指を刺してしまった、喉に物を詰まらせてしまった、などのさまざまな種類があります。そういった「起こり得るトラブル」を一つひとつ書き出して、それらに対する処置の仕方をマニュアルとして作成し、スタッフに覚えさせましょう。そうすることでトラブル対処能力は、ぐんと上がります。

講習を受けさせる

講習の実施風景

人工呼吸の講習を従業員に受けさせるなどの、実践に近い取り組みも、店舗研修のひとつとして取り入れてみると良いでしょう。

人工呼吸を含む救命措置の講習は、各消防署に依頼すれば受講することができます。心肺蘇生、AED、異物除去、止血法などを学べる講習は3時間ほどで終わる内容です。万が一のときのために、救命措置の方法を身につけておいて損はありません。

怪我をしたお客様への対応

店内で怪我をしてしまったお客様への対応は、具体的にどのようにすれば良いのでしょうか。

対応の仕方や態度によっては、お客様に納得してもらえず最悪の場合は損害賠償請求をされることもあります。お客様に不快な思いをさせずに、できるだけ穏便に済ませるためには以下のポイントを意識してみてください。

怪我の状態を確認し、手当をする

怪我の手当

お客様をいたわる言葉をかけた上で、まずはどこをどのように怪我したのか、どれほど深刻な怪我なのか、患部は動かせるかなど怪我の状態を確認しましょう。

重傷の場合は救急車を呼ぶなどの適切な処置が必要ですし、しばらく動けなさそうなときは別室に運んで休んでもらうなどの対応をする必要があります。また、お客様の服が汚れたり濡れたりしている場合はタオルを用意したり、傷の消毒をしたり、いずれにせよ怪我の状態に合わせてできる限りの措置を取ってください。

怪我の原因や経緯をお聞きする

怪我の具合を確認できたら、どのような流れでなぜ怪我をしたのかといった経緯や原因を、本人や周囲の方からヒアリングしましょう。走り回っていた子どもが自分から棚などに衝突して怪我をしたのか、突然商品が陳列棚から落下してきたのか、周囲を見ていなかった従業員と衝突したのかなど、原因によって誰に過失があるのかが明らかになります。

事故が起こった状況を整理し、客観的な事実を把握することでお客様も店側もお互いに冷静な判断をできるようにしてください。

謝罪をする

経緯や原因をヒアリングした上で明らかに店舗側に過失があった場合は、「従業員の不手際により多大なるご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。」などのように真摯に謝罪し、できるだけ不快な思いをさせないように対応しましょう。

ただし、店側の過失がなかった場合でも謝罪はした方が無難です。心象を悪くすると、インターネット上の口コミなどでネガティブなコメントを書き込まれたり、周囲に悪い噂が広まったりする可能性もあります。

トラブル対応をする際の注意点

謝罪する女性従業員

事故が起きたときは、怪我人への対処だけでなく、その場に居合わせたすべてのお客様に対して、適切な行動を取る必要があります。たとえば、何が起こっているのか把握していないお客様に対して、状況を説明することは大切な行動です。

また、店舗側にまったく問題が無くても、他のお客様に対して心からのお詫びをすることが大切です。

飲食店ならば、会社同士の商談のために店舗を利用したお客様もいるかもしれません。そんななかで、騒ぎが起きてしまったら商談の邪魔になりかねません。そういったすべてのお客様の事情を思いやり、丁寧に謝罪をすることは、お店の満足度と信頼の保持につながります。

なお、謝罪では「今後はトラブルの予防に努めていく」といった、お客様がまた訪れたくなるような表現を使った謝罪をすることが大切です。予防のための具体的な策を、事故が起こった日から数日以内に始めることで、そのトラブル予防への取り組みに対する強い思いが伝わりやすくなります。

マニュアル以外の行動も必要

事故はさまざまで、マニュアルに載っているような事故ばかりが起きるわけではありません。ときにはイレギュラーな事態が起こり、マニュアル以外の対応を必要とされることもあります。だからこそ、店舗スタッフ全員にトラブル発生のリスクを周知し、その心構えを促すことがとても重要になってくるのです。

まとめ

多くのお客様が来店される店舗では、さまざまな事故が起こる可能性があります。当然、事故が起こらないように最大限の注意を払うことは重要ですが、店内では思いもよらない原因でお客様が怪我してしまうこともあるでしょう。

お客様が怪我をしたときの動き方や流れを従業員に周知しておくことで、万が一の時もスムーズに対応できます。お客様からの評判を悪くしないためにも、お客様に怪我をさせてしまったときの対応をまとめたマニュアルを準備しておいてはいかがでしょうか。

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タグ : 事故 防止 事故対応 事故防止策 事故対処
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