お客様にやけどを負わせてしまった!飲食店がとるべき対策と対処法

2018.12.14緊急事態への対策
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お客様のやけど
飲食店で発生する事故のひとつに、やけどがあります。やけどは従業員に多い事故のひとつですが、飲食店経営をするうえでは、お客様のやけどにも注意が必要です。店舗側のミスでお客様にやけどを負わせてしまった場合、お客様に迷惑をかけてしまいますし、店舗側にも「評判が下がる」などの被害が起こることがあります。

そこで今回は、やけど被害が起きたときにどう対応すればいいのか、やけど被害を起こさないためにどうすればいいのかについてご紹介します。

飲食店で発生したやけど被害の事例

飲食店で発生したやけど被害の事例
まずは、飲食店ではどのようなやけど被害が発生しているのかを知るため、実際の事故事例を見ていきましょう。

事故事例1「配膳されてきた鉄板が肌に当たってやけど」

ステーキ店やファミリーレストランなどで、ステーキやハンバーグを熱々のままお召し上がりいただくために、鉄板に載せて提供することがあります。この鉄板を従業員が配膳する際に誤ってお客様の肩や腕、手などに触れさせてしまう事故が多く発生しています。
一瞬であれば軽いやけどで済みますが、鉄板をひっくり返したり強く押し付けたりしてしまった場合、お客様に重度のやけどを負わせてしまう可能性があります。

事故事例2「ホットの飲み物や熱い汁物をかけられてやけど」

事故事例2
ホットコーヒーや焼酎のお湯割りなどのあたたかい飲み物や、スープ、味噌汁などの汁物、うどんやラーメンなどの麺類もやけど被害につながりやすいです。配膳中に足を滑らせて転んだり、お客様にぶつかってしまったりといったトラブルにより、カップや器をひっくり返して中身がお客様にかかってしまう事例が多数報告されています。
お客様にかかった液体の量や温度によって、軽症で済むか重傷になるかが変わってきます。また、洋服に飲み物や汁物をかけてしまった場合は、やけど以外にもクリーニング代などを支払う必要が出る場合も。

事故事例3「料理の器が熱すぎてやけど」

提供された茶碗蒸しの器が熱すぎたために、器を触ったお客様がやけどをした事例もあります。茶碗蒸しなどのような、器ごと蒸して調理するメニューの場合、どうしても器が高温になってしまいます。お客様に提供する際に器が熱くなっている旨お伝えすることを怠っていた場合、賠償責任を問われかねません。

事故事例4「テーブル上の鍋に店舗機材が落下し、中身が飛び散りやけど」

鍋料理を提供する飲食店で、お客様が召し上がっている最中の鍋の中に天井からダクトが外れて落下してきてしまい、鍋の中の熱い汁などが飛び散ってお客様がやけどをした事例です。ダクトといった大きなものでなくとも、鍋の中に食器類などを落としてしまった場合にもこのようなやけどは発生します。

事故事例5「セルフ式の飲食店でトレー上の料理がひっくり返りやけど」

事故事例5
トレーの上に従業員が料理を載せ、そのトレーをお客様自身が自分の席まで運ぶ、セルフ式の飲食店で起きた事故事例です。トレーに載せられた汁物が安定していなかったためにお客様が運ぶ際に落としてしまい、やけどを負いました。セルフ式の飲食店のため店舗側の責任はないとも言えますが、トレーの上に載せた従業員に責任があるとも言える、グレーな事例です。

飲食店でやけど被害を起こさないための安全対策

飲食店でやけど被害を起こさないための安全対策
飲食店では熱々の食事を配膳することも多く、上記の事故事例のように配膳時にお客様にやけどを負わせてしまうケースも数多く発生しています。

配膳時の事故を防ぐためには、安全に配膳を行う方法やルールを考えなければいけません。たとえば「配膳時は、お盆をいったんすべて卓上に乗せる」「お料理は両手で持って配膳する」「カートをぶつかりやすい場所に置かない」などがあげられます。また、配膳後の事故を防ぐため、「鉄板や器がとても熱くなっていることをお客様へしっかりと伝える」などのオペレーションも必要です。
もちろん、ルールとして定めるだけでなく、訓練を繰り返しながら従業員に覚えさせなければいけません。訓練を繰り返すことで新たな対策や改善方法が見つかり、安全対策の向上を図ることもできます。

軽いやけどの場合は誠意ある謝罪の姿勢を示すことで済むケースもありますが、跡が残るレベルのやけどの場合は謝罪だけでは済みません。定期的な治療費の支払いや、通院のための交通費の支払い、慰謝料の支払いなど、飲食店側に負担が生じてしまいます。「あの店でやけどさせられた上に態度が悪かった」などという噂が広まれば、店舗の評判にも差し障ります。

お客様にも店舗側にも被害を生じさせないために、飲食店経営者は、お客様へのやけど被害を起こさない細心の注意を払わなければいけません。

やけど被害を起こしてしまった場合の対処法

やけど被害を起こしてしまった場合の対処法
どんなに安全対策を施していても、やけど被害が起きてしまう可能性はあります。やけど被害が起きてしまった場合には、どういった対処をすればいいのでしょうか。

お客様がやけどをしてしまったら、まずは患部を冷やすことが大切です。水道のある場所へご移動いただき流水で冷やすのがもっとも良い方法ですが、やけどの程度が軽い場合は冷たいおしぼりなどを当てて冷やしても良いでしょう。
衣服の上からやけどをした場合には、無理に服を脱がさず服の上から冷やしてください。無理に服を脱がせると、水ぶくれが破れてしまう恐れがあります。

お客様がやけどをした箇所の近くに腕時計やアクセサリー類を身につけられている場合、やけどをした箇所が次第に腫れてくることがあるため、できれば外していただきましょう。
病院に行かなければいけないほどのやけどであれば、営業を中止する判断も。同時進行で車を手配し、病院に行く準備をします。通常はやけどをした箇所がヒリヒリする程度であれば受診の必要はないとされていますが、お客様のご希望を伺って対処しましょう。

その後は経過を見ながら、治療費や慰謝料についての話しあいを行います。同じミスが起きないよう、再発防止策を講じる必要もあります。

このように、やけど被害が発生するとお客様にも店舗にも多大な負担がかかります。そうならないためにも、安全対策は日頃から意識しておきましょう。

まとめ

今回は、飲食店でのお客様に対するやけど被害について、事故事例や店舗側でとるべき対策、対処法をご紹介しました。
従業員の配膳する料理の器や中身などによって、お客様にやけどを負わせてしまう事故は飲食店にはつきものです。できるだけ事故を減らすよう安全対策を従業員に徹底するとともに、万が一に備えてやけどの応急処置などについても講習を行っておきましょう。

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タグ : 飲食店 事故 安全 対策 注意点 やけど
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