もしもに備えたAED。定期的な点検も忘れずに
2017.07.28緊急事態への対策駅などでもよく見かけるようになったAED。近年は緊急事態に備えて、店舗にも設置されることが増えています。平成27年の消防白書によると、2014年中に一般市民がAEDを使用した事例は1,600件程度あるため、安全対策のひとつとして十分に効果を発揮しているといえます。
もしものための安全対策として効果的なAEDですが、その使い方を知らなければせっかくの備えが無駄になってしまいます。以下では、AEDの使い方や定期的な点検についてご紹介します。
そもそもAEDとは?
AEDは、正しくは自動体外式除細動器といいます。その名のとおり、身体の外から細動を取り除くことができる機械です。
心臓突然死の大きな原因のひとつに、心室細動や心室頻拍があります。これらは心臓が小刻みに痙攣することでポンプ機能が失われている状態であり、発生から1分経過するごとに救命率が7~10%低下するとされています。こうした細動を、外部からの電気ショックによって取り除くのがAEDなのです。
AEDを用いた心肺蘇生の手順
安全対策としてAEDを用意していても、AEDを使った心肺蘇生の手順がわからなければ意味がありません。そこで、その手順について簡単にご紹介します。
心肺蘇生を行う場合、まずは周囲の安全を確認し、肩を叩いて呼びかけるなどして反応を確かめます。反応がみられない場合、呼吸を確認します。正常な呼吸ではない、あるいは呼吸がない場合には、心肺蘇生を試みます。AEDが到着するまでの間は、心臓マッサージによる胸骨圧迫を30回、人工呼吸を2回というサイクルを繰り返します。
AEDが到着したら、フタを開けて電源を入れます。AEDには音声ガイダンス機能があるため、指示に従って電極パッドを貼り付けます。その後、AEDの心電図チェックによって電気ショックが必要だと判断された場合には、ボタンを押して電気ショックを行います。電気ショックが不要だと判断された場合には、傷病者の反応があればAEDを貼り付けたまま救急車の到着を待ち、反応がなければ心臓マッサージを再開します。
AEDは定期的な点検も必要!
AEDの機械自体は半永久的に使うことができますが、バッテリーや電極パッドは消耗品であるため使用期限が定められています。期限が過ぎたものをそのままにしていると、いざというときにAEDが正常に動作しない可能性もあるため、安全対策のためには定期的に点検を行う必要があるのです。使用期限が近づくと、製造・販売会社から交換の案内がくることもあります。
また、管理するのが難しいという場合にはサポートサービスを活用したり、AEDの管理を委託したりといった方法も考えられます。こうしたサービスを用いれば忘れることもないため、不安であればご検討ください。
いざというときの強い味方であるAEDも、使い方がわからない、使用期限が過ぎているなど、正しく使用できなければ安全対策にはなりません。店舗にAEDが設置されている場合には、使用方法の確認や定期的な点検をしっかりと行いましょう。