安全のための地震対策は?店舗の被害を抑える商品陳列のコツ
2019.02.18緊急事態への対策地震が発生したら、「机の下などに潜って頭を守る」が基本。ですが、売場でお買い物中のお客様は、近くに潜り込める机があるとは限りません。地震発生時にお客様をケガから守るためには、商品の落下や破損を極力防ぐことが大切です。
以下では、地震の被害を最小限にする、商品陳列のコツをご紹介します。
商品陳列はゆとりを持って
棚に陳列する商品が多ければ多いほど、地震発生時にドミノ倒し状態となり、落下してくる危険性が高くなります。万が一の地震に備えて、普段から商品はゆとりを持って陳列する習慣をつけることが大切です。
また、棚の耐荷重を確認することも大切です。陳列棚用のブラケットは、商品ごとに重量目安が決まっています。陳列商品が耐荷重をオーバーしていると、普段からブラケットに負荷がかかるのはもちろん、地震が起きたときの被害が拡大しやすくなります。
事故や被害を最小限に抑えるためには、店内の陳列棚に何キロの商品を載せているかを意識することが大切です。各陳列棚の耐荷重を確認し、載せられる商品の量を把握しておきましょう。
ワレモノは割れるリスクを最小限に
食器や置物などのワレモノは、地震発生時に落下すると、破片が飛び散ってお客様に被害を与える恐れがあります。また、床に破片が散らばると、避難時にも危険が伴います。そのため、ワレモノは割れるリスクを最小限に抑えるように陳列するのがルールです。
ワレモノは低いところに
高いところにワレモノを陳列すると、地震が起きたとき、お客様の頭上に落下する恐れがあるだけでなく、割れた破片が降り注ぐ可能性もあります。また、陳列場所が高ければ高いほど床に落ちたときの衝撃が大きく、散らばりやすいので危険です。
棚板に滑り止めシートを敷く
食器などのワレモノを陳列する棚に滑り止めシートを敷いておくと、棚の上に置いてあるものが滑りにくくなります。そのため、地震で棚が揺れたときでも、食器同士がぶつかって割れるリスクが小さくなります。
棚にこぼれ止めのバーを取り付ける
ワレモノの陳列棚の端にこぼれ止めのバーを取り付けると、地震の揺れによる商品の落下を防ぐことができます。木棚用、ガラス棚用のほか、ショーケースの内側に取り付けられるものもあります。
高いところの商品や装飾品には、落下防止対策を
商品やトルソー(マネキンの胴体)、装飾品などは、地震発生時に落下すると、お客様に当たって被害が出る可能性があります。高いところの陳列物に対する店舗で行うべき地震対策は、以下の通りです。
底にセーフティクッションを付ける
ディスプレイや装飾品の底にセーフティクッションシールを貼ると、粘着効果によって転倒しにくくなり、落下を防止できます。セーフティクッションシールは、底の四隅に貼ると効果的です。
セーフティクランプで棚に固定する
セーフティクランプは、2つの口金に対象物を挟んで、締め付けて固定する金具です。たとえば、トルソー(マネキンの胴体)のように土台のあるものやカラーボックスは、セーフティクランプで棚板に固定すると、落下を防止できます。
セーフティワイヤーセットで壁に固定する
ディスプレイや装飾品をワイヤーで壁につなぎ、地震発生時の落下を防止します。
陳列棚の落下を防ぐには?
壁面にブラケット(棚受け)やシャフトを取り付け、棚板を載せて作った陳列棚は、地震発生時に落下する危険があります。きちんとブラケットやシャフトを支柱に差し込んでいても、地震の揺れによって抜け落ちたり、跳ね上がったりする恐れがあるからです。
地震による陳列棚の落下を防ぐには、次のような安全対策パーツが効果的です。
ブラケット抜け止めパーツ
ブラケットと支柱の接続部分に装着して、ブラケットがスリットから抜け落ちたり、跳ね上がったりするのを防止します。
棚押さえパーツ
ブラケット、シャフト、ダボなどに載せた棚板を、上から挟みこむように固定して、棚板の跳ね上がりを防止するパーツです。ガラス棚板専用のガラス押さえもあります。ガラス棚板は落下すると割れる恐れもあるので、安全対策が特に重要です。
抜け止め付きブラケット
支柱との接続部に自動ロック式の抜け止めが付いたブラケットです。スリットに差し込むと自動でロックがかかり、抜け落ちを防止します。
ガラスの割れを防ぐには?
ガラス製の陳列棚は、「透明なので商品の色を邪魔しない」「開放感があって売場が広く見える」「高級感がある」などのメリットがあります。ですが、万が一ガラス棚が落下すると、割れてガラス片が飛び散る恐れがあります。そのため、地震に備えて安全対策をしておくことが大切です。
ガラスの落下を防止する方法の1つとして、上記でもご紹介したようなガラス押さえパーツを使って固定することが挙げられます。そのほか、次のような対策を合わせるとさらに安全性が高まります。
開き止めバー(補強バー)
ブラケットを用いた陳列棚は、2本のブラケットを支柱に差し込んで腕を作り、その上に棚板を載せる形が基本。ですが、それだけではブラケットが徐々に開いて、棚板を支えきれなくなる恐れがあります。そこで、2本の腕の間にバーを渡してブラケットが開くのを防止する安全対策パーツとして、開き止めバーが用いられます。
ガラス棚を開き止めバーで固定すると、ブラケットが開くことによる落下が防げます。また、揺れやたわみを抑える効果もあり、棚全体の強度が高まるので、地震発生時にも強いガラス棚となります。
飛散防止フィルム
ガラス棚板に飛散防止フィルムを貼っておけば、もしも地震発生時に落下してガラスが割れても、破片が飛び散りにくくなります。
地震はいつ起こるかわかりません。売場のディスプレイを見直し、地震が発生したらどのような被害が起こるかを考え、しっかり対策を行いましょう。
まとめ
今回は店舗で行うべき地震対策として、地震の被害を最小限に抑えるための商品陳列のコツをご紹介しました。
ワレモノの陳列や高いところに商品を陳列する際には十分注意し、陳列棚の落下やガラスの割れを防ぐために、適宜安全対策パーツを設置することが大切です。
地震発生時の被害を抑えるため、日頃から安全対策を万全にしておきましょう。