浸水の原因とは?店舗での水害被害を防ぐ対策もご紹介

2020.03.09緊急事態への対策
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水害に見舞われた街

店舗で考えうる水被害のひとつに、浸水があります。浸水にはあまり馴染みがないという人もいますが、近年は異常気象の影響からゲリラ豪雨などの災害に見舞われるケースも多く、浸水の危険性は決して低くはありません。店舗での浸水は大きなダメージを与えるため、もしもに備えてしっかりと備えておく必要があります。

今回は、災害などによる浸水の被害といった水害や、その対策についてご紹介します。

浸水などの水害が起こる原因とは?

水が吹き出すマンホール

そもそも水害はどのようにして起こるのでしょうか。水害はその原因によって外水氾濫と内水氾濫の2種類に分けられます。

外水氾濫

外水氾濫とは河川の増水により防波堤が決壊したり、防波堤を越えて水が市街地へ浸水したりすることで起こる水害です。河川の近くのエリアで起こりやすいもので、外水氾濫が起きると一気に泥水や木々などが押し寄せ、家屋への浸水や人的被害が出やすくなります。

外水氾濫は市街地で大雨が降っていなくても、川の上流部の山間部で降った雨が原因で起こることもあるため、十分な対応策を打てない間に大きな被害が発生する可能性もあります。

内水氾濫

一方、内水氾濫とは大雨による大量の雨水がマンホールから逆流することで起こる水害です。基本的にマンホールが処理できる雨量は1時間に50ミリだとされており、それ以上の雨が降ると水があふれてしまいます。近年では1時間に100ミリ以上のゲリラ豪雨が降ることも珍しくなく、下水処理能力を超えて氾濫を起こすこともままあります。

近年水害が増えている理由

ビルがそびえ立つ市街地

土の地面が多い地域では雨が降っても地面に浸透するため、内水氾濫が起きにくいといえます。一方、コンクリート・アスファルトの部分が多い市街地では、雨水を吸収しないため、内水氾濫が起きやすいと言えます。特に近年は都市化が進んでいるため、以前に比べて水害のリスクが高まっています。

また、気象庁は降水量50ミリ以上80ミリ以下の雨を「非常に激しい雨」、80ミリを超える雨を「猛烈な雨」と呼んでいて、いずれも年々増加傾向にあります。1976年からの10年間と2007年からの10年間を比較すると、年間で降る50ミリ以上の雨はおよそ1.3倍、80ミリ以上の雨に関してはおよそ1.7倍の量です。

このように、都市化が進んでいることと大雨が多くなっていることが、近年水害が増加している原因だとされています。

豪雨による水害事例

実際の水害事例を見ていきましょう。

2018年7月の西日本豪雨

広島県、岡山県、愛媛県などを中心に発生した豪雨では、西日本各地で大規模な浸水や土砂災害が起こりました。死者は被災エリア全域で130名にも上りました。

2015年9月の関東・東北豪雨

西日本~北日本にかけて豪雨が発生。鬼怒川が氾濫し堤防が決壊、家屋7000棟以上が全壊または半壊、浸水被害は1万5000棟以上報告されました。

2008年8月の豪雨

西日本~東北の広い範囲で記録的大雨を観測。特に愛知県一宮市では1時間に120ミリ、岡崎市では1時間に146.5ミリという異常なまでの量が降りました。

店舗に浸水した場合に想定される被害

浸水が発生した店舗出入り口

店舗が浸水するとどういった被害が起こるのでしょうか。被害内容はどんな店舗であるのか、浸水の程度がどれくらいであるのかによっても変わりますが、被害が小さくないことは間違いありません。

営業停止

まず考えられる被害が、営業の停止です。店舗が水浸しになると、その復旧に時間がかかります。

浸水によって機器が壊れたり物が流されたりすると、営業ができる状態ではなくなります。浸水が軽度であれば営業できない期間は短くなりますが、逆に長期間営業できなくなることもあるのです。流れ込んだ水が汚水であれば、さらに復旧に時間がかかります。

商品への影響

小売店などの場合は商品が水浸しになると、仕入れた商品が販売できなくなります。濡れていなければ販売はできますが、食品は賞味期限もあるため営業が再開されるまでにダメになる可能性もあります。

店内設備への影響

浸水や運ばれてきた土砂によってディスプレイ棚やテーブル、椅子などが汚損することも考えられます。状態によっては廃棄せざるをえなくなったり、洗浄や消毒が必要になったりもするでしょう。

このように、浸水による被害は店舗にとって大きな損失となります。

店舗への浸水を防ぐには?

ゲリラ豪雨や台風など、浸水は自然災害によって発生することが多いものです。そのため、いつ浸水が起きても対処できるよう、対策をしっかりと整えておく必要があります。

店舗の出入り口に土のうなどを設置する

積み上げられた土のう

浸水対策としてはまず、店内に水が入らないようにすることが大切です。そのためには、出入り口に土のうや水のうなどを設置します。

近年は土のうや水のうに代わって、シートやブロックといった浸水対策製品が登場しています。ゲリラ豪雨や台風など、浸水が予想される自然災害が発生した際に対処できるよう、店舗で準備しておくべきです。

キッチン・洗面所・トイレの排水口をふさぐ

豪雨の発生時には排水管が満水になり、排水口にたまっている封水(臭いや虫の侵入を防ぐためにためられている水)が飛び出してくることもあります。さらに、そこから水がどんどん浸入してくる可能性もあるため、キッチンや洗面所、トイレなどの排水口は水を入れたビニール袋などでふさいでおきましょう。

駐車場や店舗付近の清掃・片付けを行う

店舗付近の清掃をする女性

雨水ますの上に落ち葉などがたまっていると浸水の原因となります。

また、駐車場や店舗周辺にゴミがたまっていたり、道路上にカーステップやプランターなどが置かれたりしていると、雨水ますへの排水がスムーズにできなくなることがあります。

定期的に清掃をして、排水が滞りなくできるようにしておいてください。

排水設備の定期点検の実施

このほか、排水設備の定期的な点検も行っておく必要があります。浸水が起こった場合は素早く排水を行わなければいけませんが、排水設備が不調であれば水がどんどんたまり、被害は大きくなります。浸水による被害を大きくしないためにも、排水設備は定期的に点検しておくべきです。

まとめ

異常気象による自然災害が増えていることで、浸水に対する備えは重要となっています。店舗ではもしもに備え、浸水対策を怠らないようにする必要があります。

豪雨や台風の後にも安心してご来店いただけるよう、土のうや水のうの準備や排水設備の定期点検などを実施しましょう。

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タグ : 対策 災害 損害 水害 浸水
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