店舗にとっても重要?もしもに備えたデータバックアップの必要性
2020.07.08緊急事態への対策近年はデジタル化が進んでいることもあり、これまで紙で存在していた資料や報告書などもデータで管理されることが増えています。店舗でも、そうしたデータを利用するケースが多くあります。
資料や報告書などをデータで管理する場合、大きなポイントとなるのがバックアップです。仮に災害などが発生した際にも、データをきちんとバックアップしておけば、大切なデータの消失を防止することができます。
今回は、データバックアップの重要性やその方法などについてご紹介します。
データバックアップが必要な理由
紙媒体での管理に比べて、データでの管理は作業の効率化や省スペース化などさまざまなメリットがあります。しかし、データで管理する場合には、しっかりとデータをバックアップしておく必要があります。
まずは、データのバックアップが必要な理由から見ていきましょう。
データ消失を防ぐため
データバックアップが必要な理由としては、まずデータの消失防止対策があげられます。パソコンのデータは、さまざまな要因によって壊れることがあります。
データが壊れる要因
データが壊れる原因の代表例といえば、データを保存しているHDDやSSDといった記憶媒体の寿命や故障でしょう。HDDやSSDはデータの読み書きを行う度に消耗していくため、いつかは寿命がきます。衝撃などの外的要因によって壊れる可能性もあります。このような場合、データの読み書きはできなくなります。
また、コンピュータウイルスなどによって故意にデータが破壊されることもあります。そのほか、データが入っているノートパソコンの紛失や破損、パソコンの操作ミスなどの人的ミスといったことも考えられます。
災害などの予測が難しい大規模な被害も考えられるため、バックアップによってしっかりと対策し、データの消失を防止する必要があるのです。
データが消失した場合のリスク
大切なデータが消えてしまうと、取引やサービスを停止する必要があるため、店舗運営に影響が出てしまいます。
例えば、飲食店の予約データが消失しまったとしたら、どのお客さんが何時に来店するのか分からなくなってしまいます。店舗で管理している売上データや販売データが消えてしまえば、決算確定が滞ってしまう可能性があるでしょう。決算確定が遅れてしまうと、税額が確定できず、納税が遅延してしまう恐れもあります。
また、データがちゃんと管理されていなかったとなれば、社会的な信頼の失墜や、店舗のイメージダウンにつながってしまうこともあるでしょう。重要なデータが復旧できないとなれば、事業継続自体が難しくなることも考えられます。
セキュリティインシデントの証拠記録とするため
データのバックアップを取っておくことは、セキュリティインシデントの証拠記録にもなります。
セキュリティインシデントとは
セキュリティインシデントとは、情報セキュリティを脅威する事件や事故、セキュリティ上好ましくない現象が起こることを指します。例えば、外部からの不正アクセスやマルウエアなどのウイルス感染などがセキュリティインシデントに該当します。
セキュリティインシデントが発生した場合のリスク
セキュリティインシデントが発生すると、情報漏洩や情報改ざん、データが破損するなどの恐れがあります。情報漏洩や改ざんによる損失は対応が遅れてしまうと、信頼を失い、損失がさらに大きくなる可能性も。
データをバックアップしておくことで、セキュリティインシデントが発生したときに、発生前のデータと比較することができます。外部からの攻撃なのかなど、データ消失の原因を迅速に解明することが可能です。
目的に合わせたデータのバックアップ方法
データの消失防止対策としてのバックアップでは、パソコンに保存されているデータを別の媒体にコピーする方法が一般的です。どのような媒体にコピーするかは、バックアップ時の目的によっても異なります。
災害対策としてバックアップをするなら
災害対策としてバックアップする場合、バックアップ元のデータとバックアップデータはできるだけ離れた場所で保管する必要があります。元データと同じ場所にバックアップデータを保管すると、その地域で災害が発生した場合、データがまとめて消失する危険性があるからです。災害によるデータ消滅を防ぐには、遠隔地のサーバーにバックアップを取る、バックアップした記録メディアを遠隔地の支店や倉庫に保管する、といった対策が必要です。同時に災害に遭ってしまわないように、元データとバックアップデータは、物理的な距離を取って保管しましょう。
最近では、クラウドストレージを利用した、バックアップ方法も採用されています。クラウドストレージは、インターネットを通じて遠隔地にデータを保存します。ハードウェアなどを保管・管理する必要がないため、外部のサービスを利用するため導入も迅速に対応可能です。ハードウェアなどを使用せず、インターネットがつながればどこでもアクセスすることができるため、災害によりすべてのデータが破損してしまう可能性が低く、事業継続が可能です。
日常的なトラブル対策としてバックアップをするなら
最も多いのが、人為的なミスによるデータ消失です。日常的に起こりうるトラブルなので、バックアップも日常的に行う必要があります。
日常的に発生するトラブル対策でバックアップを行う場合は、データの復元が簡単なバックアップ方法がおすすめです。外付けのHDDやクラウドサーバーなどへの保存は、スキルが不要で手軽に利用できます。自動的にバックアップを取るように設定しておけば、バックアップし忘れを防ぐことも可能です。
一定期間の保管が必要なデータのバックアップをするなら
業務に関わるデータは、一定期間保管が必要な場合もあります。長期間保存しておいたデータは、セキュリティインシデントの証拠記録としても重要なデータとなります。
このように一定期間保管しておかなければいけないデータは、テープやディスクといった記憶媒体に保存するのがおすすめです。テープやディスクは、媒体自体のコストが低く、電源が不要であることからランニングコストも抑えられます。
この方法は、重要で長期間保存が必要だけど、日常的に利用しないデータを保存するのに適しています。利用頻度によって、自動的にデータの保管や場所を最適化してくれる製品もあります。コストが抑えられますので、バックアップの容量が増えてきたという場合にもおすすめの方法です。
まとめ
データを消失してしまうと、業務の停止や、信用が失われるなど大きな損失を生んでしまう可能性があります。最悪の場合、事業継続が難しくなってしまうリスクもあるでしょう。
データのバックアップをしっかり行うことで、さまざまなデータ消失トラブルでの被害を防ぐことが可能です。特に大事なデータはこまめに、そして複数の方法でバックアップしておきましょう。
今後デジタル化はますます進むため、データのバックアップについてはよく考えておくべきです。