仕事中、火事が起きたら…店舗内で発生した火災への対処法

2020.03.30緊急事態への対策
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あまり考えたくはないことですが、店舗で「火災」が発生してしまった場合、責任者やスタッフはどう対応すれば良いのでしょうか。関係者の安全を守るために最も大切なことは、責任者やスタッフがパニックにならず、冷静に対処することです。

 

パニックにならず、火災による被害を最小限に食い止めるためには、日頃から火災対策や心得を知っておく必要性があります。

今回は、店舗内や駐車場などの敷地内や近隣の店舗などで火事が起きた際に取るべき対処法と、火災時の心得をご紹介します。

 

店舗内で発生した火災への対処法

店舗内で実際に火災が発生した場合、どのような流れで動けば良いのでしょうか?具体的な対処法を見ていきましょう。

119番通報

火災発生時に真っ先に行うべきことは119番に通報して消防車を呼ぶことです。火災を発見した人がすみやかに通報することが大事ですが、冷静さを失ってしまうと正確な情報を伝えられない可能性があります。通報時には焦らず、相手の質問に落ち着いて答えるようにしてください。

店舗の名称や住所の他にも、目立つ近くの建物や看板なども一緒に伝えるとより迅速に駆け付けてくれます。

防災センターや他のテナントへの連絡

建物内に防災センターが設けられているところであれば、そちらにも連絡を入れてください。防災センターは自衛消防隊の本部としての機能も果たします。消火器を始めとした消火用の装備、ガーゼや包帯などの応急処置ができる物資、バールやロープなどの救出用の道具が備えられています。

防災センターに連絡することで、店舗が入っている建物全体に火災を知らせることもでき、迅速な消火・避難につながります。

防災センターがない場合は、他テナントにできるだけ早く火災を知らせましょう。

初期消火

火災が起きたとき被害を最小限にするには、初期消火を適切に行うことが重要です。床部分に火がついた場合、天井にまで燃え上がるには数分かかることが想定されます。この数分間の間にどれだけ消火できるかで、その後の被害が大きく左右されるのです。

現時点で消火器の扱い方がよく分からない場合は、いざというときのために正しい使用方法を身につけておきましょう。

消火器を使う際の注意点

・出入り口を背にして消火すること

消火している間に逃げ道を失ってしまうと非常に危険です。命の危機を感じたらすぐに逃げられるように出入り口を背にして消火してください。屋外で火災が起きた場合は、煙や炎に巻き込まれないように風上から消火活動を行いましょう。

・姿勢は低く、徐々に近づく

できるだけ炎に当たらないように、低い姿勢をキープしたまま少し遠めから徐々に近づいていきます。近づきすぎると危険なため、身の安全を確保できる距離は確保してください。

・ほうきで掃くように消火する

消火器は1カ所にだけかけるより、ほうきで掃くように横方向にかけた方が効率よく消化することができます。

避難誘導

初期消火を行うとともに、手が空いている他の従業員でお客様の避難誘導を行います。

火災時の煙には一酸化炭素が多く含まれており、煙を多く吸い込んでしまうと一酸化炭素中毒になり、最悪の場合死に至る危険性もあります。

煙は高いところに集まりやすいため、煙をできるだけ吸い込まないように避難時にはハンカチやタオルなどで口をおさえながら、姿勢を低くして逃げるように指示を出します。

燃えている部屋に酸素が流入するのを防ぐために、窓やドアは可能な限り閉めて避難してください。また、逃げ遅れやすいお年寄りや子ども、妊婦さんなどを優先して避難させるようにしましょう。

 

もし仕事中に火事が起きたら?非常時の心得

自力で消せる炎は人の身長まで

火災現場を目撃したら、「とりあえず火を消さなければ!」と思うかもしれません。出火したばかりの炎は、消火器などを用いて自力で消火できる場合があります。しかし、自力で消火できる範囲を超えた炎が広がっている場合は、すみやかに避難する必要性があります。

消火器などで安全に消火できる炎の目安は「人の身長に達するまで」といわれています。炎が身長を超えて天井に達したら、もはや自力での消火は不可能だと判断しましょう。火災が発生したことを大声で周囲に伝えて、すみやかに避難を開始し、119番通報をしましょう。

避難は人が優先

責任者に近い立場のスタッフほど、火災時には書類や金庫などを「持ち出さないと!」という義務感に駆られてしまうかもしれません。しかし、貴重品を取りに行ったばかりに避難が遅れて、大切な命を落としてしまうケースも多く発生しています。

書類やお金は取り返しがつきますが、命は取り返しがつきません。緊急時には、まず人命を優先し、安全のためにすみやかに避難をしましょう。

指示は簡潔に、大きな声で

スタッフへの指示やお客様への避難誘導を行う際には、「大きな声で、はっきり簡潔に」を心がけましょう。緊急時はどうしても気持ちが焦ってしまって、早口になってしまったり、あれもこれもとたくさん指示を出したりしてしまうかもしれません。

しかし、せっかくの避難誘導がよく聞き取れなかったり、内容が分かりづらかったりすると、現場は更にパニックになってしまいます。誘導などの指示を出す際には、はっきりと分かりやすい声と指示内容を発することを肝に銘じましょう。

店舗でしておきたい火災を防ぐための安全対策

そもそも火災を防ぐためには、どのような準備をしておけば良いのでしょうか?普段から店舗で行っておきたい安全対策について見ていきます。

緊急時のシミュレーションを実施する

事前にスタッフ間で、「通報係」や「誘導係」といった役割を決めておき、緊急時のシミュレーションをしておくことも大切です。

「事務所で地震による火災が発生」「2階トイレで不審火が発生」など、さまざまなシチュエーションでシミュレーションをしてみましょう。お客様役などの避難誘導される立場を経験すれば、「どう誘導すればスムーズに避難ができるか」といった対策を考えることもできます。

設備点検などを行って火災リスクを排除する

店舗で火事が発生する原因はさまざまですが、多くの火災の原因として「タバコの火の不始末」や「設備の老朽化による漏電や過熱」があげられます。「うちは大丈夫」と過信せずに、タバコなどの火の始末は徹底し、定期的に設備の点検や交換を行って安全対策をしましょう。火災報知器や消火器といった、火災に対する安全対策用品もきちんと備えておくことも大切です。

まとめ

業種に限らず、店舗内で火災が起きないという保証はどこにもありません。設備の老朽化や隣の店舗からのもらい火、お客様の行動など予期せぬ原因で火災が起きる可能性は十分にあります。発生した火災を最小限に抑えるためには、当然日頃から安全対策を怠らないことが重要です。いざ火災が発生した際には、冷静になって119番通報をする、初期消火をする、避難誘導するなど適切な行動を1つずつ行いましょう。

何よりも大事なのは命です。危険を感じたときにはためらわずにお客様を避難させてください。

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タグ : 安全 対策 対処 対処法 お客様 病気 ケガ
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