店舗が備えておくべき防災グッズとは?本当に必要なものリストと管理方法
2020.08.17緊急事態への対策地震や台風、津波など、日本では災害が起こる機会が多くあります。特に地震は、いつ起こるか予期することはできません。店舗の営業中に、大きな地震が発生することも想定されるでしょう。
営業中に大きな地震が起こった場合、従業員やお客様がすぐに家に帰れるとは限りません。安全確保のために、店舗にとどまっていた方が良い場合もあります。そのようなケースに備えて、店舗に「防災グッズ」を用意しておくと安心です。
防災グッズはさまざまな種類のものがありますが、本当に必要なものはどれくらいあるのでしょうか。今回は、いざというときのために店舗が備えておきたい防災セットと、その管理方法をご紹介します。
災害時、店舗に必要な防災グッズとは
災害時、店舗に必要な防災セットとはどのようなものなのでしょうか。
まずは、災害時に店舗が担う役割を考えてみることから始めましょう。帰宅が困難なスタッフやお客様の支援や、いち早く営業を再開するための準備、他店舗や地域への支援など、災害時に店舗が担う役割はさまざまです。さまざまな状況をシミュレーションすることで、いざというときのために備えておくべきものが分かってきます。
防災グッズを用意する際には、まず自店舗では災害時にどのような役割が求められるのかを考えてみて、本当に必要なものが何なのかを考えてみましょう。
基本の防災グッズリスト
災害の状況によっては、1~3日程度、安全が確保されるまでは店舗で過ごさなければならない場合もあります。基本の防災グッズは、従業員とお客様が数日間店舗にとどまることを想定して準備しておきましょう。最低でも3日分、できれば1週間分の備えがあると安心です。
防災用品
災害時、店舗から避難する際に必要となる避難用はしご、ロープ、懐中電灯、スコップといった防災用品が必要です。
他にも、情報収集のためのラジオや呼びかけのためのメガホン、トランシーバーから、ヘルメットや軍手、長靴、ビニール袋も備えておくと良いでしょう。
食料、水
水を加えるだけでご飯ができるアルファ米や乾パン、水(1人あたり1日3L)は必ず用意しておきましょう。
食料品を扱う店舗であれば商品である食品が陳列されているため、食料の準備はしなくても大丈夫と思うかもしれません。
しかし、地震や浸水によりこれらの食品が利用できないことも考えられます。そのため、食料品を扱う店舗であっても非常用の食料と飲料水は多めに備蓄しておき、定期的に消費期限などをチェックしておきましょう。
なお、食料品を扱っている店舗は、災害時に炊き出しなどを行うケースもあります。そうした際の炊飯・給水用の機材やグッズの備えがあると、いざというときに大きな助けとなります。
医薬品、日用品
地震により転倒や落下物による怪我の恐れがあります。また、体調が悪くなってしまうお客様や従業員も出てくるかもしれません。怪我人や病人に対応するための医薬品は、必ず一定量は備えておきましょう。一通りの医薬品が揃った医療救急箱のほか、怪我人や重病人の運搬時に役立つ折りたたみの担架やリヤカーなどがあると便利です。普段からスタッフに救助指導を行っておき、非常時に備えておくことも重要です。
また、電気やガスといったライフラインが寸断された状態で大勢の人が過ごせるよう、毛布や寝袋といった日用品も揃えておきましょう。マスクや生理用品、携帯カイロ、タオル、簡易トイレ、歯磨きシートがあると、災害対策本部などでスタッフが数日間泊まり込む際に便利です。
帰宅困難者対策の防災グッズリスト
地震などの災害が発生した際は、交通機関がストップしてしまいます。そのため、店舗の従業員やお客様が帰宅困難になることも想定しなくてはなりません。
自宅が10km圏内にあれば、徒歩で帰宅が可能です。ここでは、災害時に徒歩で自宅まで帰宅する際に必要になるものをご紹介します。
ただし、災害発生後すぐに帰宅するのではなく、安全が確保されるまでは店舗にとどまるように指示しましょう。まずは、身の回りの安全を確保するようにしてください。
帰宅支援マップ
店舗から自宅まで離れている場合は、道順が分からない場合もあります。そのため、帰宅支援マップを用意しておきましょう。帰宅支援マップは、災害時に徒歩で帰宅することを想定して作られた地図です。安全な道のルートや避難所が掲載されているので、用意しておきたいグッズです。
携帯ラジオ
情報収集にあたっては、ラジオが活躍してくれます。スマートフォンからもアプリでラジオを聞くことができますが、一部のラジオチューナー内蔵の機種以外では、ラジオを聞くにはネット回線が必要です。災害時はネットがつながらない、充電がなくなるなどの不安も考えられるため、携帯ラジオを用意しておきましょう。
手回し式充電ラジオであれば、電池や充電が必要ないので便利です。
懐中電灯
災害により停電してしまうことも考えられます。夜道を歩く場合は大変危険なため、懐中電灯や首から掛けられるライトがあると安心です。
飲料水・食料品
長距離を徒歩で帰宅する場合、水や食料も必要です。食料に関しては、荷物が重くならないように1食分程度が望ましいでしょう。
営業再開のための防災グッズリスト
地震や台風などの被害に遭った場合、店内にはものが散乱したり、壊れていたりする場合があります。できるだけ早いタイミングで営業再開をするために、下記のようなものを用意しておくと良いでしょう。
ヘルメット
店舗の復旧作業中に、上からものが落下してくることが考えられます。安全が確保されるまでは、従業員を守るためにヘルメットが必要です。準備しておきましょう。
軍手
ガラスの破片など、地震直後の店内は、怪我につながるものが散乱しているかもしれません。丈夫な軍手を用意しておくと安心です。
工具
地震や浸水などにより、商品棚が壊れてしまうこともあるでしょう。さまざまな場所で、修理が必要になることがあるかもしれません。工具を用意しておくことで補修が可能です。
非常用電源
停電が起こると、食品を管理するための冷蔵庫やレジを動かすことができません。停電が長引いてしまう可能性もあるため、非常用電源を用意しておくと安心です。
店舗での防災グッズの管理方法と注意点
防災セットは、「何を備えるか」ということはもちろん、「どうやって管理するか」という点も重要です。
防犯グッズの管理方法
地震や火災などの災害時、保管場所から防災セットが取り出せなくなってしまっては備えの意味がありません。防災セットは、耐震や防火対策がされていて、すぐに取りにいける場所に保管しましょう。
保管棚などを有効に利用して、分類ごとに整理して分かりやすくしておくと、必要なものをすぐに取り出せます。
保管棚は地震時の揺れで転倒や落下が起きないよう、予防対策を万全なものにしておくことも忘れずにいてください。
防犯グッズを管理するときの注意点
さらに、防災セットの中に、何が、どのくらいの数量だけ備えられているか、きちんとリスト管理を行い、非常時に混乱しないようにしておきましょう。年に数度は点検を行い、耐用年数の期限や保管の状態をチェックするなど、適切に管理することが重要です。
まとめ
今回は、店舗が備えておくべき防災グッズをご紹介しました。
もしものときに備えて、店舗には防災グッズを用意しておきましょう。リストを作成したり、分類したりして収納しておくと管理しやすくなります。
防災グッズを用意するだけではなく、災害時の防災マニュアルの確認や災害を想定した訓練をしておくと安心です。もしものときに備えて、万全の準備をしておきましょう。