スーパーに潜む危険エリアは?階段や自動ドア、通路での事故事例
2018.10.08売場の危険な場所
店舗の出入り口や通路は、お客様が頻繁に通行する場所です。その分、事故が起こる危険性も高く、十分な安全対策が必要な場所でもあります。
以下では、店舗の通路や出入り口といった場所での事故事例や対策方法をご紹介します。
【危険1】自動ドアでの挟まれ、巻き込まれ
店舗の出入り口などに設置してある自動ドアは、小さな子どもや高齢者の方の事故が多い危険な場所です。
ここでは、自動ドアでの事故事例3件と、事故を未然に防ぐための対策をご紹介します。
【自動ドアの事故事例1】開きかけで閉まったドアでの挟まれ事故
60代のお客様が自動ドアから出ようとした際に、ドアが25cm程度開いたためそのまま出ようとしたところ、急にドアが閉まりました。その際にドアに右手の甲をぶつけ、腫れてきたため、店舗へ苦情を入れたとのことです。
このような、自動ドアが開ききらない、閉じきらないうちに駆け込んだり無理に通ろうとしたりして衝突してしまうというような事故は、日常的に起こる事故です。
【自動ドアの事故事例2】車いす利用者の方の指挟み事故
40代の車いすを利用しているお客様が衣料品店へ入店しようとしたところ、自動ドアが開きませんでした。そこで、店から人が出てきたタイミングで入店しようと、出てくる人とすれ違うようにして自動ドアを通ろうとしたところ、指が挟まり怪我をしたとのこと。
車いすを利用するお客様の場合は、立って通行する人と比べて頭の位置が低いため、自動ドアのセンサーが反応せず、ドアが開かないというトラブルが起こることも。そのほかにも身体の不自由なお客様や、車いす・ベビーカーを利用するお客様が自動ドア付近で立ち往生してしまい、ドアに挟まれてしまうといった事故も発生しています。
【自動ドアの事故事例3】幼児の戸袋引き込まれ事故
1歳の女児が商業施設内の店舗に設置されている自動ドア付近にいたところ、手を引き込まれすり傷を負いました。
上記の事故のように、小さな子どもが自動ドア付近に立ったり遊んだりしていて、ドアと戸袋の隙間に手や指を引き込まれて挟んでしまうといった事故も、数多く発生しています。引き込まれ事故は、大きな怪我をする可能性もあるため危険です。
自動ドアでの事故対策
事故を予防するためには、衝突や引き込まれの予防対策がしっかりと施された自動ドアを導入するのが効果的です。自動ドアを新たに設置したり付け替えたりする際には、手や指が引き込まれないように、隙間の大きなものや引っ掛かりのない形状のものを選ぶようにしましょう。
また、自動ドアの設定を見直すことも重要です。「センサーの感知エリアを広く取る」、「自動ドアが開いている時間を長く設定する」といった対策をすることで、自動ドアによる事故の危険をかなり減らすことができます。
【危険2】床の段差、凹凸、滑り
出入り口や売場といった場所に、段差がある店舗もあるのではないでしょうか。
ほんのわずかな段差であっても、小さな子どもや高齢者の方、妊娠中の方や身体の不自由な方などにとっては、段差は想像以上に危険なものです。
ここでは、床の段差などが原因の事故事例2件と、事故を未然に防ぐための対策をご紹介します。
【床の事故事例1】店内の段差での転倒事故
70代のお客様が衣料品店でお買い物を楽しんでいたところ、店内の床の段差に気が付かず転倒。その後病院へ行ったところ、骨折しており手術を受けたとのことです。
この例のように、段差での事故が原因となり、手術が必要な怪我を負ってしまうこともあります。
【床の事故事例2】出入り口の段差でのお買い物カート事故
30代のお客様が、大規模な商業施設の出入り口の段差につまずいた際に、押していたお買い物カートが倒れ、女性が怪我をしました。
このように、段差で本人が転倒しなくても、押しているお買い物カートやベビーカーなどに影響し、怪我につながる事故となることもあります。
床での事故対策
スロープを取り付けることで、段差による事故の危険性はグッと小さくなります。また段差がある場所に注意喚起のポスターやステッカーを貼るだけでも、一定の効果が見込めます。
また、老朽化などに伴い床に凹凸が発生している場合や滑りやすい場所がある場合などは、滑りにくい素材のフロアマットを敷くことで安全性が高まります。
【危険3】狭くて見通しの悪い通路
小規模店舗の場合、どうしても通路が狭くなってしまいがちです。狭い通路も、事故が起きやすい危険エリアとなります。
ここでは、通路での事故事例2件と、事故を未然に防ぐための対策をご紹介します。
【通路での事故事例1】狭い通路で陳列ディスプレイにカートが衝突した事故
60代のお客様が小売店舗でお買い物中、お買い物カートを押しながら狭い通路を通ろうとしたところ、通路の脇に積まれていた飲料缶にカートが当たり、缶が女性の足に落下。軽い打撲を負ったほか、陳列の仕方に問題があったとして、店舗へ不満を感じているとのこと。
お客様同士がすれ違うのも苦労するような狭い通路では、ぶつかり事故などが増えてしまい大変危険です。場所によっては、上記の例のようにディスプレイにぶつかった拍子に陳列された商品が落ちて、お客様に怪我を負わせてしまう危険性もあります。
【通路での事故事例2】通路内の看板が原因で転倒した事故
大規模な商業施設の通路に設置されていた看板に、70代のお客様が足を引っ掛けて転倒。怪我をしたお客様のご家族は、店舗側への損害賠償請求を検討しているそうです。
このように、通路に設置されているものによる転倒事故も発生しています。
さらに、「配置がごちゃごちゃして雑然としている」、「通路の見通しが悪い」といった場合は、子どもが迷子になってしまったり、曲がり角でぶつかってしまったりと、事故につながりかねない事態を招いてしまいます。
通路での事故対策
できる限り陳列などを工夫して通路幅を広く取り、見通しが良く、通りやすい通路を作りましょう。
【危険4】階段での足滑らせ、踏み外し
スーパーの店舗内外にある階段も、危険が多く潜むエリアです。
ここでは、階段での事故事例3件と、事故を未然に防ぐための対策をご紹介します。
【階段での事故事例1】雨で濡れた駐車場内の鉄製階段での事故
20代のお客様が、スーパーの駐車場の鉄製階段で足を滑らせて、すり傷・打撲などの怪我をしました。階段が雨に濡れていたため、滑りやすくなっていたと推測されます。
立体駐車場などの雨が吹き込む場所にある階段では、このような事故のリスクがあります。非常階段が店舗の外にある場合も同様です。
【階段での事故事例2】水濡れしていた店舗内階段での事故
飲食店内の階段が水で濡れていたため、40代のお客様が階段を下りる際に足を滑らせて転びました。下から3段目と低い位置での転倒だったため、医者にかかるほどの怪我にはならなかったものの、店舗側への対応に不満感を持っているとのこと。
店舗内の階段が、何らかの不注意やモップでの清掃直後であったなどの理由で、水濡れ状態となっていることもあります。階段の高い位置でお客様が足を滑らせた場合などは、大怪我につながることもあるのです。
【階段での事故事例3】階段で足を踏み外した転落事故
50代のお客様が、衣料品店内の階段で足を踏み外して転落。頭部の打撲や鎖骨の骨折などで、全治6カ月と診断されたとのことです。
このように、階段の水濡れなどがなくとも、転倒事故や転落事故は起こりえます。
階段での事故対策
スーパーなどの店舗内での階段で、転倒事故や転落事故が起こるのを未然に防ぐためには、まず水濡れなどの危険な状態を放置しないことが大切です。清掃などで階段が濡れた状態になることを避けられない場合は、営業時間外に清掃を行うようにする、乾くまでの時間は通行禁止にする、などの処置をとりましょう。
店舗の外にある階段については、雨風が入らないよう階段にガードをつけたり、滑り止めシートを引いたりなどの対策を行うことをおすすめします。
また、不意の転落などを防ぐため、階段の手すりの位置が適切かどうかなどの見直しも行ってください。
まとめ
お客様にストレスなく安全に買い物を楽しんでいただくためには、店舗の通路や出入り口、階段などが安全に保たれている必要があります。事故の発生リスクが高い場所に潜む危険をできる限りなくし、お客様に「また行きたくなるお店」と思っていただける、安全で快適な売場作りを目指しましょう。