棚下照明をLEDに替えよう!照明器具での事故事例もご紹介

2019.10.07店舗内の危険事故
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ハンガーラックの照明
棚下照明には、商品をより魅力的に見せたり、売場の雰囲気を良くしたりする効果があります。ですが、子どもが光源に触れて火傷したり、器具の破損によって怪我や火事などの事故につながったりする危険性もゼロではありません。

以下では、棚下照明によるトラブルを防ぐ方法をご紹介します。

棚下照明のメリットとリスク

ディスプレイ棚の棚下照明
棚下照明を使えば陳列されている商品がよりオシャレに見えたり、店内がスタイリッシュな雰囲気になったりと、売場の雰囲気作りやお客様の購買意欲の向上につながります。

しかし一方、ライトを使う分、棚板の温度は多少上がるためリスクが出てきます。特に光源近くは高温になっていることもあるため、小さなお子さまが火傷をするなど怪我の危険性があることも理解しておきましょう。また、使用方法や管理方法を間違えれば火災にもつながり、大事故にもなりかねないため、棚下照明を導入する際は十分に注意してください。

照明器具での事故事例

照明器具による火災事故
照明器具は便利な反面、火災の元になることもあります。具体的にどのような事故があるのか見ていきましょう。

ダウンライトからの引火による火災

棚下照明と似た形状の、天井に埋め込まれたダウンライトによる事故が起きています。

家庭のクローゼットなどで、ダウンライトのギリギリまで荷物を積み上げてしまうケースがままあります。そしてライトを消し忘れた、ついているのに気づかなかった場合などに、ライトの熱から引火して火災が発生してしまうのです。

布団や衣類などの布・繊維製品に引火するケースが多いため、アパレルショップや布を取り扱う店舗などでも、注意する必要があるでしょう。

照明に触れたことによる火傷

机に設置されている白熱灯に触れてしまい、火傷をしたといったケースもあります。白熱灯はかなりの高温(100度~200度)になりやすく、売場に設置されている場合は子どもが興味本位で触って火傷をする可能性もあるでしょう。

照明内部の焦げ付きによる発火

長年同じ照明を使用していたり接触不良などがあったりすると、発煙や内部基盤の破損につながることがあります。特に、照明にカバーをつけている場合は細かいところまで確認しづらく、内部でコードや何かが接触していてもなかなか気づくことができません。

異臭がする、煙が出ている、照明の具合がおかしいなど違和感を覚える状態であれば、最悪の場合発火・火災につながる場合もあることを覚えておきましょう。

棚下照明による火傷・火事の危険性を低減するには

点灯する電球
棚下照明は、天井の照明と違ってお客様の手に届く範囲にあります。そのため、お客様が商品を手に取る際に誤って触れたり、子どもが面白半分に手を近づけたりすると、火傷につながる恐れがあります。

それを防ぐには、LEDライトの棚下照明に交換するという方法があります。

LEDとは

LED(発光ダイオード)は、従来の光源に比べて発生する熱量が非常に少ないのが特徴です。LED本体の発熱温度は40℃以下といわれ、誤って触れても火傷する心配はありません。200度程度まで温度が上昇する白熱灯と比較すれば、その安全性は一目瞭然です。

誤って照明器具の付近に燃えやすいものが置かれたり、放熱が妨げられたりしても、出火して火事になる危険性が抑えられます

また、LEDは光に含まれる熱線や紫外線もほぼゼロなので、商品が熱や紫外線の影響でダメージを受けることも防げます。デリケートな商品の陳列棚や、芸術品や工芸品の照明には、特にLEDライトがおすすめです。

さらに、事故の危険性を抑えられる以外にもLEDにはメリットがあります。

LED電球自体は白熱灯や蛍光灯に比べて高いのですが、その寿命は非常に長く、白熱灯のおよそ20倍にもなります。また、電気代に関しては白熱灯のおよそ8分の1です。つまり、コストの面からも、LEDは圧倒的に経費削減につながりやすいといえるでしょう。

棚下照明をLEDに替える際の注意点

LED照明
今まで棚下照明を使用していたが、安全性からもコスト面でもLEDに取り替えたいという場合、ただLED電球を買ってきて付け替えるだけでは大事故が起こる危険性があります。

照明器具にはいくつかの形式があり、適合しない電球を取り付けると発火・発煙することもあるのです。

照明器具とライトの組み合わせに注意

直管型LED電球には、大きく分けて交流入力型(AC)と直流入力型(DC)の2種類があります。これら2つは構造が異なっているため、それぞれ適合する照明器具も異なるのです。

照明器具によっては、LED電球に改造を施さないと適切に使用できないこともあり、素人ではどう対処して良いか分からないこともあるでしょう。

正しい組み合わせかどうかを判断できずに使用すると、最悪の場合火災につながりかねません。そのため、棚下照明をLEDに交換したい場合は、電球だけを替えるのではなく、照明器具ごと交換することをおすすめします。照明器具と対応するLED電球を同時にそろえれば事故の心配もなく、安全に使用可能です。

棚下照明の取り付けは、「PSE」に注意

LEDに限らずどのような照明器具にもいえることですが、照明器具が外れて落下すると、破損して怪我や事故につながります。そのため、照明器具は外れないようしっかり取り付けることが大切です。

中でも棚下照明は、お客様が棚から商品を取る際にぶつけてしまったり、子どもが触ったりできる位置にあるため、取り付け方には特に注意する必要があります。

棚下照明が外れないようにするには、棚や什器に直接、照明器具を固定することが重要です。ですが、照明器具は取り付け方(電源部分をビス固定するなど)によっては、PSE(「特定電気用品」または「特定電気用品」以外の電気用品)の対象となる場合があります。

※PSE対象となる場合、適合確認、届け出、検査などの法的な手続きが必要となります。

そのため、棚下照明を行う場合はPSE対象外で棚下照明専用の製品を活用することをおすすめします。棚下照明専用の製品であれば、低コストで簡単に、かつしっかりと安全に取り付けられる工夫がなされています。

棚下照明の取り付け方

靴売り場の棚下照明
棚下照明の取り付け方は、製品によってさまざまです。

棚板に直接固定する

PSE対象外の棚下照明なら、灯具本体を棚板の裏に直接ビス固定することができ、落下が防げます。その場合、電源アダプタは専用のホルダーを棚板に固定して取り付けます。

ブラケットに取り付ける

ブラケット(棚受け)とセットになった棚下照明です。抜け落ち防止措置を施したブラケットに灯具を取り付けることで、照明器具の落下が防げます。コードも専用の収納パーツでブラケットに取り付けられるので、見た目もすっきりします。

コーナータイプ

ショーケースや陳列棚のコーナーに取り付ける照明器具です。上下の棚板に固定するので安定感があり、落下や転倒が防げます。また、上下の棚板がなくても、コーナー部分にキャッチャーを付けて取り付けられる場合があります。

スタンドタイプ

卓上やショーケース内の照明に最適な、スタンド型のライトです。角度を自由に変えられる片脚タイプや、均一に照らしやすい両脚タイプがあります。スリムで邪魔にならず、スタンドの脚を座面に固定するので倒れる心配もありません。

上記の棚下照明以外にも、用途や設置場所に応じたさまざまな製品があります。既成パーツを組み合わせたり必要に応じてオーダーしたりすれば、よりイメージに合った照明が可能です。

まとめ

照明は商品を華やかにディスプレイしてくれるだけではなく、店舗の雰囲気作りにも重要な役割を果たしています。しかし、照明器具は一歩間違えれば事故の原因にもなりかねないもの。見た目のことばかり考えていると、お客様に怪我をさせてしまったり、店舗で火災が起こったりしてしまうかもしれません。

安全性の高いLEDに交換する、照明の熱で引火しないようなディスプレイ、備品の管理方法を考えるなど安全対策も重要です。

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タグ : スーパー 照明 防災 衣料品 売場 品出し 事故対策
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