ブラケット・ガチャ柱・ダボ柱とは?ディスプレイパーツの種類一覧
2019.09.09店舗内の危険事故
店舗で使用するディスプレイパーツや安全対策パーツの中には、ブラケットやガチャ柱、ダボ柱など、普段なかなか耳にしない言葉もたくさんあります。安全な店舗を作ろうにも、「ブラケットって何だっけ?」「どんな安全対策パーツがあるの?」と悩んでいては、なかなか先に進めません。
今回は、事故予防の要となる各種ディスプレイパーツと、店舗での安全対策事例をご紹介します。
壁面展開用の陳列棚を構成するパーツ
壁面に棚受け金具を取り付け、棚板を載せて陳列棚を作るディスプレイは、多くの店舗で活用されています。以下では、その一部をご紹介します。
【陳列ステージ】
陳列ステージとは実際に商品を陳列したり、ディスプレイしたりする部分のことです。代表的なものが棚板ですが、ハンガーやフックなど商品を掛けて陳列するタイプのパーツも陳列ステージもあたります。
陳列の仕方でお客様に伝わる商品の魅力は大きく変わり、売り上げにも影響を与えます。陳列を工夫するだけで利益の増大が見込めるかもしれません。
では、具体的にどのようなものがあるのか見ていきましょう。
棚板
棚板は素材別に分けると以下の種類が挙げられます。
・ガラス棚
・木棚
・アクリル棚
素材としては上記がよく使われるものですが、形状の種類もさまざまです。シンプルな平台や、2段になった平台、3段になった平台、また連結できるタイプや円形のステージなどもあります。
ハンガー・フックなど
ハンガーなどのフック類には次のような種類があります。
・ハンガーパイプ
・フック
・傾斜フック
・クロスハンガー
・フェイスアウト
種類によって掛けられる商品の数も異なりますし、実際にディスプレイしたときの印象も大きく変わってくるでしょう。
ディスプレイする商品の大きさや数、素材感など頭に描いている理想のディスプレイイメージに合う陳列ステージを考えてみてください。
【棚受け(ブラケット、ダボ)】
棚受けとは、陳列棚やパイプなどを固定するための要となるパーツです。棚受けがしっかりしていないと、せっかくディスプレイした商品が崩れてしまう恐れもあります。お客様に迷惑を掛けるだけではなく、商品が壊れたり傷ついたりするとそれだけで損失にもなるでしょう。
単なる小さなパーツとは捉えずに、棚受けの重要性を意識した上で選ぶことが大事です。
ブラケット
壁面や什器に取り付けて棚板を支える、棚受け金具です。L字型で、一方の腕を壁面に取り付け、もう一方の腕に棚板を載せて使います。
ガラスブラケット、ウッドブラケット、アイアンブラケットなど、素材はさまざまです。靴などを見やすく陳列するための、角度がついた傾斜ブラケットもあります。
ダボ
ダボとは、小さなネジ状の棚受けのことです。木工や石工などでも資材をつなぎ合わせるために使われるパーツで、ダボを受けるためのダボ柱にはめ込んで使用します。
【棚柱(サポート、スリットパイプ、ダボ柱)】
ブラケットを取り付けるための支柱となる金具です。一定間隔で空いたスリット穴にブラケットを差し込んで使います。
サポート(ガチャ柱)
壁面展開用の支柱となる細長い金具です。コの字型やTの字型があり、壁の表面に取り付けるか、壁板の間に挟み込みます。
スリットパイプ
什器作りに用いるパイプで、角型と丸型があります。
ダボ柱
ダボを受けるためのパーツです。対応するダボに適合するようにかたどられていて、2本のダボ柱を向かい合わせに取り付け、穴にダボを付けて棚板を渡し、ダボ受け棚を作ります。
【下地】
サポートを固定する際に必要となるパーツで、スタッドや軽量鉄骨(LGS)とも言います。
金物下地と木下地の2種類があり、下地によって使用可能なビスの種類も異なるためパーツ選びの際はご注意ください。
ディスプレイの幅を広げるディスプレイ用品
基本のパーツがあればディスプレイを完成させることはできます。しかし、それだけでは物足りない場合や、オリジナリティのあるディスプレイにしたいという場合は拡張パーツを使うなど、少し工夫を加えてみてはいかがでしょうか。
ディスプレイの発想を広げるおすすめのアイテムやアイデアをご紹介します。
【フェイスアウトパーツ】
商品を正面から見せるためのディスプレイパーツです。商品を吊るすロッドフックなどがあります。フェイスアウトを使うことでより臨場感のある演出ができますし、空間の有効活用にもつながるでしょう。
【壁面ポイント】
壁面にシャフト(ポール)をしっかり取り付ける技術です。壁面に直接穴を空けてホイールを取り付けるか、サポート(穴の空いた支柱)を挟み込み、シャフトを装着します。ブラケットと同様に棚板を載せたり、ハンガーや商品を掛けたりと、壁面展開を美しく演出できます。
【ハンガーパイプ】
壁面や什器に2本のハンガーブラケットを取り付け、ポールを渡してハンガーポールを取り付けます。
事故を予防する安全対策パーツ
陳列棚には多くの商品を置きますし、重さによって棚がぐらついてくる可能性があります。揺れや衝撃などによって陳列棚が落ちないようにするには、各パーツで棚の強度を高めることが重要です。
また棚板の角が尖っている場合、角を保護してケガを防ぐことが必要です。
ここでは、事故を予防するのに役立つ安全対策パーツをご紹介します。
【ブラケット抜け止め】
ブラケットと支柱の接続部分に装着して、ブラケットの抜け落ちを予防するパーツです。
【棚押さえパーツ】
棚板を挟み込んだり上から押さえたりして、棚板の跳ね上がりを予防するパーツです。
【セーフティクランプ】
ボックスやトルソー(マネキンの胴体)などを落ちないように固定する金具です。万力のように、2つの口金に対象物を挟んで、締め付けて固定します。
【セーフティワイヤーセット】
両端にストッパーの付いたワイヤーです。陳列物と壁をワイヤーでつなぐことによって、落下を予防します。
【こぼれ止め線材】
棚板から陳列物が落ちないように、棚板の端に取り付ける細いポール状のパーツです。
【コーナーガード、ポイントガード、ガードレール】
棚や台の角に貼り付け、ぶつけたときのケガを予防します。透明のゴム製なら目立ちにくく、インテリアを邪魔しません。
店舗ディスプレイへの安全対策事例
見た目は美しくディスプレイされていても、安全対策がなされていないと思わぬ事故につながることがあります。例えば、棚板がしっかり固定されていないとお客様が手をついた拍子に跳ね上がって、商品が落ちてお客様に不快な思いをさせてしまうかもしれません。
ここではディスプレイの安全対策を行っている店舗の事例をご紹介します。
【事例1 フォーマル売り場でのガラス棚の跳ね上がり予防】
ある百貨店のフォーマルウェアやフォーマルバッグを取り扱うフロアでは、スタイリッシュ感を演出するためにガラス棚を使用しています。
ガラス棚の安全対策として、ガラス棚に振れ止め補強バーを使用することで揺れに強い構造にしている他、ガラス押さえパーツを活用することでガラス板の跳ね上がり予防対策もしています。
【事例2 子供服売り場での金具へのカバー取り付け】
アウトレットモール内の子供服ショップの売り場では、子供連れのお客様が多く来店されるお店だからこその配慮が必要です。子供の目の高さにあるようなフックや金具に柔らかいカバーをつけたり、コーナーが丸い陳列棚を採用したりといった安全対策を行っています。
まとめ
ディスプレイパーツの種類一覧と店舗での安全対策事例をご紹介しました。
ディスプレイを考える際には、ただ商品を陳列するだけではなくどのように陳列すればより商品の魅力が伝わるのか、お客様の手に取ってもらえるのかをイメージすることが重要です。使用するディスプレイパーツによって陳列する商品の印象は大きく異なるため、適したパーツを選び理想の陳列を実現させましょう。
また、ビジネス的な観点以外にも、陳列棚が崩れないように工夫したり、子供がうっかりケガをしてしまわないように気遣ったりなど、安全対策面も忘れないようにしましょう。