ゲリラ豪雨とは?増加の原因は?豪雨の前兆と遭遇したときの対処法

2020.02.17買い物中の事故・災害
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ゲリラ豪雨

近年は地球温暖化などの影響も相まって、自然災害が増加傾向にあります。特に台風や竜巻といった気象災害は、耳にする機会も多いことでしょう。

その中でも、夏場に増えるゲリラ豪雨には注意が必要です。ゲリラという名前のとおり、瞬間的な大雨が突発的に発生するのが特徴のゲリラ豪雨は、なかなか対策をするのが難しいといえます。そんなゲリラ豪雨に遭遇した場合、どう対処すれば良いのでしょうか。

以下では、近年よく耳にする気象災害であるゲリラ豪雨について、増加の原因などを解説し、遭遇した際の対処法などをご紹介します。

ゲリラ豪雨とは?近年増加している原因は?

冠水した道路を走る車

ニュースなどでよく聞くゲリラ豪雨という言葉。そもそもどのような意味なのでしょうか?

ゲリラ豪雨とは何か

実はゲリラ豪雨という気象用語はなく、本来は「局地的大雨」や「集中豪雨」という用語が使われます。しかし、いずれも意味は同じで「短時間に降る局地的な大雨」のことを指します。

夏の午後に発生することが多く、ゲリラ豪雨という言葉ができる前は一般的に夕立と呼ばれていました。しかし、夕立よりも雨が強く人的被害を及ぼす可能性がある豪雨が増えたことから、「ゲリラ豪雨」という呼び名ができました。

近年ゲリラ豪雨が増加している理由

昔は言葉すらなかったゲリラ豪雨が近年増えていますが、それはなぜなのでしょうか。その理由としては、世界的な気候変動などの影響で気温が上昇傾向にあることが関係しているとされています。

まず雨とは、空気中に含まれる水分が水蒸気となって空へと上っていき、冷たい空気で冷やされて氷や水の粒となり、それが落下する途中で溶けて水となったものです。つまり、気温が上がると空気中に含まれる水蒸気の量が増えるため、自然と雨量も増加し、大雨が降りやすくなるというわけです。

ゲリラ豪雨の予測はできる?

雷雲

ゲリラ豪雨は突発的に発生する気象災害ではありますが、前兆がまったくないわけではありません。ゲリラ豪雨に見舞われないためには、豪雨を感知するツールを活用するほか、天候の変化などの兆候を見逃さないことが大切です。

ゲリラ豪雨を予測するツール

ゲリラ豪雨の襲来を予測するには、まずはアプリやブラウザツールなどを使うことをおすすめします。

雨雲レーダー機能を備えている天気予報アプリもありますし、ゲリラ豪雨に特化して予測をし、スマートフォンの画面に通知を表示してゲリラ豪雨の襲来を知らせてくれるアプリもあります。

ゲリラ豪雨前の天候変化

ゲリラ豪雨の前兆としては、巨大な積乱雲の発生、空が暗くなる、雷の音や光が確認できる、冷たい風が吹くといったものがあげられます。こうした兆候が見られたら、あまり時を置かずにゲリラ豪雨が発生することが考えられます。

特に雷や冷たい風には要注意です。すぐに大雨が降ってくる可能性があります。

ゲリラ豪雨に遭遇したときの対処法

では、買い物の最中にゲリラ豪雨に遭遇した場合、どう対処すればいいのでしょうか。

徒歩の場合

雨で濡れた男性

徒歩で移動している場合、まずは雨に濡れない場所に移動することが大切です。具体的にはコンビニやスーパー、ショッピングモールなどの商業施設、カフェやレストランなどの飲食店、市役所や公民館などの公共施設があればベストでしょう。

ゲリラ豪雨の雨量は相当なものであるため、傘を差していても全身がずぶ濡れになってしまいます。どうしても外を歩かなければいけない場合には、傘よりもレインコートを使用するべきです。

また、河川の近くや地形的に低い場所を歩いている場合は、すぐにその場から離れる必要があります。ゲリラ豪雨によって河川が増水した場合、河川の側にいると濁流に飲み込まれる危険性があるためです。

地下街や地下鉄の駅構内、ビルの地下階など地形的に低い場所にいた場合、水が流れ込んできて浸水することが考えられます。ゲリラ豪雨の雨量は非常に多いため、浸水し始めてから避難しても間に合わない可能性も。

こうしたことから、危険な場所からはすぐに離れなければいけません。避難した後は、豪雨が完全に過ぎ去るまでそのまま安全な場所で待機しておきましょう。

車の場合

豪雨の中を走る車

車での移動中にゲリラ豪雨に遭遇した場合、最も注意すべきは冠水です。そのため、できるだけ冠水の危険性が低い道を選んで、安全な場所を目指します。

冠水しやすい場所としては、交差した道路の下をくぐるアンダーパスがあげられます。

近年は交通網の発達から立体交差になっている場所も多く、アンダーパスも多く見られます。アンダーパスは掘り下げられていることから水が貯まりやすく、またどれくらい貯まっているかわかりにくいものです。大丈夫だろうと思って進むと車への浸水が始まり動けなくなってしまったというケースもあるため、ゲリラ豪雨時はアンダーパスを通らないようにすべきです。

仮にエンジンに浸水して車が動かなくなった場合は、修理をしなければ車は動く見込みがありません。少しでも早く、車から脱出する必要があります。周囲の水位が上がるとドアを開けることができなくなるため、素早く脱出することが大切です。

ある実験では、水深30センチメートル~90センチメートルになると、ドアは開かなくなるという結果が得られました。しかし、これは車内に空気が残っている場合の結果で、逆に車内への浸水が始まるとドアは開きやすくなることともされています。

ゲリラ豪雨はよく耳にする気象災害であり、遭遇する可能性は大いにあります。いざというときのためにも、対処法については考えておくべきです。

ゲリラ豪雨の事例

ゲリラ豪雨による土砂災害

最後に、ゲリラ豪雨を原因とした人的被害の事例をご紹介します。

2006年長野県岡谷市の土砂災害

2006年7月長野県の広い範囲で豪雨が発生し、県内各地で土砂災害が起こりました。岡谷市ではそれまでに土砂災害が起こったことがなく、経験がない中での対応となり死者8名が出る事態となりました。

2008年兵庫県神戸市の都賀川水難事故

2008年7月末、神戸市をゲリラ豪雨が襲い、都賀川が急激に水位上昇しました。河川敷にいた16人が川の流れに飲み込まれ、11人は救助されたものの、小学生2人、保育園児1人を含む5人が死亡。

都賀川は環境学習にも活用されており、子どもたちも安心して利用できるように整備されていたはずでした。しかし、周辺地域での都市開発によりアスファルトで覆われた地面が多くなったために地面が雨を吸収しにくくなったことや、予想外の雨量だったことなどが起因して事故に至ったとされています。

2008年愛知県岡崎市の記録的豪雨

同じく2008年8月末、岡崎市で雨がほとんど降っていない状況から突発的な豪雨になり、1時間雨量が146.5ミリメートルを記録。この1時間あたりの降水量は2020年1月現在でも観測史上1位です。

ゲリラ豪雨によって民家への浸水被害が発生し死者2名、住宅被害では全壊6棟、半壊3棟という事態に至りました。

まとめ

局地的に短時間で大雨をもたらすゲリラ豪雨は、ときに甚大な被害を及ぼす災害となり得ます。近年では気温が上昇傾向にあることなどから発生しやすくなっているため、予測ツールなどを活用して事前に豪雨に備えることの重要性が高まっています。

最悪の場合命を落とすことにもなるゲリラ豪雨。雨が過ぎ去るまで安全な場所で待機するなど、豪雨が起こったときの対処法を覚えておくことをおすすめします。

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タグ : 災害 対処 ゲリラ豪雨 予兆
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