子どもが虫に刺されたらどうする?適切な対処法と予防法
2018.11.26買い物中の事故・災害暖かい季節になると、家の中でも外でも虫に刺されることが増えます。気づいたら刺されていることが多く、どんな虫にどこで刺されたのかはなかなか分からないことも多いものです。
普段はあまり気にしない虫刺されですが、場合によっては激しいかゆみや痛みに襲われることもあります。特に子どもは危険な虫だと分からずに触ってしまうこともあり、触らないよう注意するとともに対処についても知っておかなければいけません。
以下では、刺されると危険な虫や、刺された場合の対処法や予防法についてご紹介します。
身近に潜む!刺されると危険な虫
刺されると危険な虫は、子どもの身近にも多く存在しています。例えば、以下のような虫には要注意です。
蜂
身近に存在する、刺されると危険な虫の代表ともいえるのが、蜂です。特に危険だとされているスズメバチはもちろん、蜂のなかでは被害が比較的軽微とされているミツバチでも、本人の体質などによっては重症化するケースがあるため注意が必要です。
蚊
蚊は夏になると刺されることが多く、かゆみに悩まされることも少なくありません。多くの場合はかゆみを感じるだけで、市販の薬を塗っておけば治ります。
しかし、ヤブ蚊に刺された場合には注意が必要です。ヤブ蚊はデング熱のウイルスを持っていることがあります。ウイルスを持ったヤブ蚊に刺されるとデング熱に感染し、高熱や頭痛などの症状が出ることがあるため、大変危険です。ウイルスを持っていない場合でも、かゆみや痛みが通常の蚊に比べてはるかに強いという性質があります。
毛虫
毛虫、特にチャドクガの幼虫は毒を持っています。刺された数時間後に皮膚に激しい痛みやかゆみを感じ、水ぶくれを伴う発疹が出ます。
死骸であっても毒を持っているため、不用意に触れないように注意しなければいけません。子どもは好奇心から何でも触る傾向にあるため、特に要注意です。
虫に刺された場合の対処法は?
子どもが虫に刺された場合、可能であればまずは刺された虫を特定します。子どもからの証言で特定できれば、適切な処置ができます。子どもの証言から特定できなかった場合、周囲にいる虫を確認します。また、患部の状態を確かめることでもある程度の原因を特定することができます。
虫刺されは軽く見てしまいがちですが、思わぬ重い症状が出るケースがあります。さまざまな虫による被害があるため、何に刺されたのか分からなくても、強い症状が出ている場合には虫刺されだからと侮らずに病院を受診するよう心がけましょう。
以下に、子どもが刺されやすい危険な虫について、刺されたときに出る症状と、受診の前後に自分でできる対処法をご紹介します。
蜂に刺された場合の症状と対処法
蜂に刺されると、すぐに激しい痛みを感じます。次第に皮膚が赤く腫れ始め、痛みも強くなります。
蜂で最も注意すべき症状は、名前も広く浸透しているアナフィラキシーショックです。一度目に刺されたときには症状が出なくとも、二度目以降はアレルギー抗体ができていることからより強いアレルギー症状が出ます。呼吸ができなくなったり、血圧の低下が見られたりなど、最悪の場合には命に関わる事態となる可能性もあるため、一度蜂に刺されたことがある場合には、より一層注意しなければいけません。
蜂に刺された場合、まずは針の有無を確認します。針が刺さったままの場合は、ピンセットなどでつまんで取り除きます。粘着テープなど粘着質のものを当てて剥がし、取り除くこともできます。カードなど硬いもので素早く皮膚を撫でることでも取り除くことができます。蜂の針には毒のうがあり、これを潰すと毒が一気に染み出してくるため、手で直接針を持って抜くのはNGです。
針を取り除いた後は、患部を指先でつまむなどして毒を絞り出します。その後、流水でよく洗い患部を清潔にしてから、濡れタオルなどを使って冷やします。
ヤブ蚊に刺された場合の症状と対処法
ヤブ蚊に刺されると、皮膚が赤くなり強いかゆみが出てきます。大人が蚊に刺されたときのように、刺された箇所がぷっくりと腫れ上がるわけではないので、少し分かりにくいかもしれません。小さな水ぶくれができることもあります。
なお、子どもがヤブ蚊などの蚊に刺された場合、刺されてすぐではなく数時間経ってから症状が出ることが多いとされています。これは、子どもが蚊に刺された経験が少ないためです。小学生あたりから、刺された直後に大人と同じような腫れが出るようになります。
ヤブ蚊に刺された場合は、流水やアルカリ性の石鹸で洗って清潔にした後に炎症を抑える薬を塗ります。加えて、子どもが不用意に掻かないようにガーゼやパッチなどで患部を保護することで、掻き壊してとびひになってしまうのを予防することができます。
毛虫に刺された場合の症状と対処法
毛虫に刺されると、皮膚の広い範囲にわたって赤い小さなブツブツ(発疹)が出てきます。かゆみも伴いますが、赤くなっている部分を掻いてしまうと発疹が広がっていってしまいます。
毛虫の場合も、まずは肌に刺さった毛を取り除きます。毛自体に毒があるため、こちらも素手で取り除くのは危険です。粘着テープなどを使って取り除き、患部を流水でよく洗います。また、服に毛が付いている可能性もあるため、すぐに着替えさせましょう。
危険な虫から子どもを守るための予防策は?
虫に刺されないための予防策も大切です。子どもと外出する際には、どのような点に注意すれば良いのでしょうか。
虫よけスプレーなどのグッズを使用する
まずは、虫よけスプレーなどのグッズを使用しましょう。乳幼児に使用する場合は1日の使用回数や使用範囲が限られている場合もありますので、商品の注意書きをしっかりと確認してから使用してください。
スプレーの他にも、手首につける虫よけリングや洋服に貼る虫よけシールなどの便利グッズもあります。いろいろ試してみて、子どもが嫌がらずつけてくれるものを使用すると良いでしょう。
長袖・長ズボンを着させる
真夏は難しいかもしれませんが、長袖・長ズボンを着せて肌の露出を減らすのは、効果的な予防策です。できるだけ生地の薄い洋服を選び、肌を出さずに涼しく過ごせるようにしてあげてください。
服の色に注意する
山や川などの虫が多い場所へ行く際は、子どもや自分の着る服の色にも注意をはらいましょう。
蜂は黒いものに向かって攻撃する習性があると言われています。黒い服装は避け、帽子も着用するようにしましょう。蚊も暗めの色に集まると言われているため、黒や赤などの濃い色は避けたほうが無難です。
虫が発生しやすい危険な場所に近づかせない
危険な虫に刺されないようにするには、虫に接触しないようにすることも重要です。
蜂の巣を見つけた場合は、速やかにその場を離れましょう。何らかの事情でその場をすぐには離れられない場合は、絶対に子どもが触ったり棒でつついたりしないよう言い聞かせてください。
蚊は、池や水瓶などの水が溜まっているところに多く出没します。また、毛虫はツバキやサザンカなどの歯の裏側に生息していることが多いといわれています。公園などで遊ぶ際には水の溜まったバケツなどの水たまりや、ツバキ・サザンカの木などには子どもを近づかせないようにしましょう。
まとめ
子どもの虫刺されについて、刺されたときに出る症状や対処法、刺されないための予防法などをご紹介しました。
大人にとっては「ちょっとかゆいかも」程度の虫刺されでも、子どもの場合はアレルギー反応が大きく出ることがあるため、注意が必要です。危険な虫に刺されてしまったら、針を取り除くなどの応急処置を行ってから、速やかに医療機関を受診するようにしましょう。