子供と買い物中に地震や火事が!防災ポーチのすすめと避難時のポイント
2019.12.09買い物中の事故・災害「子供とお店で買い物中に、地震や火事などの災害が発生したら……」考えるのも恐ろしい話ですが、まったくありえない話ではありません。
万が一のときにもパニックを起こさないよう、避難経路や緊急時の対処など、普段から緊急時の避難についてしっかりと考え、備えておきましょう。
今回は、子供との買い物中に災害が起きた場合の避難のポイントや、日頃から持ち歩いておきたい防災ポーチについてご紹介します。
災害に備えて平常時にしておきたいこと
まずは災害が起こる前に、常日頃から意識して行っておきたい災害対策をご紹介します。
普段から避難経路をチェック
よく利用するお店などは、普段から避難経路をチェックしておくといいでしょう。古い建物や、増改築を繰り返しているような建物は、意外と複雑な構造をしていたり、避難経路である階段の場所が分かりにくかったりするものです。
いざというときにまごつくことのないように、普段から「今地震が起きたら避難経路は……」、「火事になったら……」と避難経路や緊急時の行動をシミュレーションしておきましょう。
子供と普段から「いざというときのお約束」をしておこう
子供がある程度大きくなっているのならば、「いざというときのお約束」をしておいて、普段から繰り返し話し合っておくことが重要です。
よく行くお店の避難経路を確認しておく、避難中にはぐれてしまったときの待ち合わせ場所を決めておく、困ったら近くの交番やお店に助けを求めることを教えておく、迷子札を持たせておく……など、子供が一人になってしまったときの対処法はさまざまです。
子供の成長度や性格などケースに合わせて備えておきましょう。
防災ポーチを準備して持ち歩く
防災用品の準備としては、緊急時に備えて「防災ポーチ」を持ち歩くことをおすすめします。
防災ポーチとは、防災バッグの携帯版のこと。災害時に持ち出すために自宅に備えておく防災バッグに対して、防災ポーチは日常的に持ち歩きます。ウエストポーチやサコッシュなどを利用しても良いですし、小さいポーチやマルチケースに入れて、買い物時などに持ち歩くカバンに入れても大丈夫です。
防災ポーチの中身は、その人の性別・年齢・家族構成によって大きく異なります。
どんな人でも役に立つものとしては、連絡先のメモやミニライト、助けを呼ぶためのホイッスル、小銭などが挙げられます。救急用品やマスク、ティッシュ、ハンカチ、ビニール袋などもあると安心です。女性は生理用品やリップクリームなども必要でしょう。
子供のためには、子供用マスクやアメ・チョコなどのちょっとしたお菓子があると良いですね。また、万が一子供とはぐれた場合に備えて、家族写真も入れておくことをおすすめします。
買い物中に地震・火事が発生した場合の避難の基本
では、実際に買い物などで外出している最中に、地震や火事などの災害が発生したらどうすれば良いのでしょうか。ここでは、お店の中で災害に遭ったときの避難の基本をご紹介します。
地震の場合は頭を守り、商品棚やガラスから離れる
買い物中に地震で大きく揺れた場合、陳列棚が倒れてきたり、棚の商品が落ちてきたりといった事態が起こりえます。これらのものが頭部に接触した場合、大怪我につながる可能性もあるので、まずはカバンや上着、買い物かごなどを被って頭を守りましょう。買い物カートがあれば、カートの下に潜り込むのも良い方法です。
頭を保護しつつ、できるだけ商品の陳列棚から離れた場所へ移動します。ガラス窓やガラス戸も割れて飛散する可能性があるので、同様に距離を置くようにしてください。
火事の場合は姿勢を低くし、口を覆う
火事が起きたときにもっとも怖いのは、実は火そのものではなく「煙」だといわれています。煙には一酸化炭素や有毒ガスなどが含まれており、これらによる中毒症状で吐き気やめまいが起きるほか、酸素が少なくなることにより呼吸困難になり動けなくなってしまうのです。
また、煙で視界が遮られることにより避難がしにくくなる、不安感が増大してパニックになる、などの影響も起こりえます。
煙は上(天井)を伝って広がっていくため、煙を吸わないようにできるだけ姿勢を低くすることが大切です。四つん這いや中腰などの状態で移動してください。
口元はタオルやハンカチで押さえ、煙を吸い込まないようにします。
エレベーターは使用しない
地震や火事に限らず災害時の避難の基本ですが、エレベーターは使用してはいけません。エレベーターが途中で止まってしまった場合、中に閉じ込められてしまいます。必ず階段で避難をしましょう。
もしもエレベーターに乗っている最中に地震が発生した場合は、すぐにすべての行先階ボタンを押し、エレベーターが停止したら速やかに降りましょう。万が一そのまま閉じ込められてしまった場合は、エレベーター内の非常ボタンや携帯電話などで外部に連絡を取ります。
子供と一緒に避難するときのポイント
子供と一緒に避難する際には、自分の身の安全だけではなく、子供の様子にも気を配らなくてはなりません。ここでは、子供と避難するときに注意したいポイントをご紹介します。
落ち着いて避難誘導に従う
災害などが発生したとき、パニックを起こしてしまうのが1番危険です。親が慌ててしまうと、子供も強い不安を覚え、取り乱してしまいます。
まずは落ち着いて、スタッフの避難誘導に従いましょう。
ベビーカーでの避難は危険?
基本的に、ベビーカーでの避難はおすすめしません。
災害時、エレベーターは使用できませんし、ベビーカーを抱えて階段を下りたり、人ごみの中を避難したりするのは大変困難です。店内にベビーカーを残していくことも考えて、貴重品などはすぐに持ち出せるカバンなどに詰めておきましょう。
歩ける子供も基本は抱っこで
非常時、子供はできる限り抱っこして避難するようにしましょう。
しっかり歩ける年齢の子供であっても、たくさんの人と同時に避難することになった場合、足元にまで注意を払う余裕がなく、子供の存在に気がついてもらえずにぶつかってしまう危険性があります。さらに、つないでいた手が離れてはぐれてしまうケースも考えられます。
子供の状態が分かりにくいおんぶよりも、子供の存在を感じやすい抱っこがおすすめです。抱っこであれば地震で棚の上の商品が落ちてきたときや、火事で火の粉が飛んできたときにも、子供の頭や体を守ることができます。火災現場などの近くを通るときに視線をふさぐのも比較的簡単です。
できれば、カバンの中に緊急用の抱っこひもを常備しておきましょう。
火災現場や怪我をした人の姿は極力子供には見せない
売場で火災や大怪我が発生した場合は、その現場はできるだけ子供には見せないようにしましょう。
火が燃えさかる様子や、人が流血している様子、緊急対応に追われている人たちが大声で叫ぶ様子などは、大人が見てもショックを受けるものです。子供であればその心理的な負担は尚更でしょう。
その場でパニックを起こして避難に支障が出る可能性もありますし、すぐには影響が出なかった場合でも時間が経過してからストレス反応が出る場合もあります。
安全に、速やかに避難することがもっとも大切ですが、ショッキングな現場が子供の目に入らないよう配慮することも大切です。
まとめ
今回は、子供との買い物中に地震や火事などの災害が発生したときに備えるための対策をご紹介しました。
災害はいつも突然に起こるものですが、いざというときの正しい避難の方法を知っておいたり、防災ポーチを用意して持ち歩いたりするなどの事前対策をしておくことで、災害時の助けとなります。
緊急時でも落ち着いて正しい行動ができるよう、避難の基本を知り、普段から災害対策を意識して備えておくようにしましょう。