キッズスペース(コーナー)で子供が安心して遊べる安全対策とは?
2019.06.10売場の危険な場所近年では、商業施設はもちろん、飲食店や病院、役所など、さまざまな公共施設にキッズスペース(キッズコーナー)が設けられています。子供連れの利用者にとって、子供を遊ばせることができるキッズスペースは心強い味方であるため、キッズスペースの需要はとても大きくなっています。
しかし一方で、「キッズスペースの衛生管理や安全管理が心配……」という声が多いのも事実。そこで今回は、キッズスペースを安心して利用してもらうために事業者側で行いたい、衛生対策や安全対策についてご紹介します。
キッズスペースで起こる事故
子供たちが楽しく遊ぶコーナーとして設置されているキッズスペースですが、ケガにつながる事故や危険な事件が発生してしまうこともあります。
ここでは、全国のキッズスペースで実際に発生している事故の事例をご紹介します。
ボールプールで……
子供の手のひらサイズのボールを敷き詰めたボールプールは、子供たちが大好きな遊具です。多少飛んだり跳ねたりしてもボールがクッションとなってくれるなど安全性が高そうに見えるため、保護者としても安心して遊ばせることができるとして人気です。
しかし、そんなボールプールでもさまざまな事故が発生しています。
たとえば、ボールプールの中に落ちていたヘアピンを子供が踏んでしまい足をケガした、ボールプールの枠のファスナーでケガをした、割れたボールを触ったり口に入れたりしてしまいケガをした、などの事故が起きています。そのほか、友達の投げたボールが顔に当たった、転倒してボールプールの外に落ちたなどのトラブルもあります。
すべり台で……
キッズスペース内に設置されているすべり台では、子供同士のトラブルや危険な遊び方などによって事故が起きるケースが多くなっています。他の子供にぶつかってすべり台から落下する、すべり台から駆け下りて椅子や壁に衝突するなどの事故が報告されています。
事故を予防するには?キッズスペースでの安全対策
上記でご紹介した通り、キッズスペースでは思わぬケガや事故が起こりかねません。子供たちが安心して遊べるよう、店舗側は安全対策を施す必要があります。
まずは注意書きを貼りましょう
事故対策、そして店舗側へのクレーム対策として、キッズスペースには必ず注意書きを掲示しましょう。できれば、子供向けの注意書きと保護者向けの注意書きの2種類を用意することをおすすめします。
子供向けの注意書きには「危険な遊び方はダメ」「仲良く遊ぼう」などの内容を書きます。小さな子供にも理解してもらえるよう、イラストを交えて、ひらがなのみで書くと良いでしょう。
保護者向けの注意書きには「必ず保護者の方が見守ってください」「感染症にかかっているなど体調の悪いお子さまの利用はご遠慮いただいております」「キッズスペース内での事故・ケガ・盗難などについては店舗では一切責任を負いません」といった内容を書きます。
このような貼り紙で注意喚起するだけでも、事故やトラブルの抑止効果はあります。すでに注意書きを貼っている場合も、内容の見直しなどを行うことをおすすめします。
ケガ予防対策
小さな子供は、大人が予期しないタイミングでケガをすることがあります。
スペース内を走り回っていて転んだり、遊具や絵本棚にぶつかったり。こういったケガをしないよう、床は安全なカーペットやクッションフロア仕様にしたり、遊具や棚などはケガをしづらい素材のものにしたり、保護剤で尖った部分にカバーをしたりしましょう。
ボールプールなどの破損が発生しやすい遊具については、定期的にチェックを行うことが大切です。チェックリストを用意し、ボールプール内に異物が落ちていないかどうか、ボールやプールの枠に破損がないかどうかなどの確認を行ってください。
誤飲予防対策
キッズスペース内の机に紙とクレヨンやカラーペンなどを置き、お絵かきコーナーやぬりえコーナーを設置している店舗もあるかもしれません。その場合は、ペンのキャップや小さくなったクレヨンなどの誤飲に注意しましょう。
万が一誤飲しても窒息しないキャップのペンに変えたり、折れたクレヨンはつなぎ合わせたりといった対策を実施しておくと安心です。
不審者侵入予防対策
デパートや病院、飲食店などのキッズスペースは公共の場所です。基本的には誰でも出入りすることが可能です。そのため、不審者がキッズスペース内に侵入する可能性も考えられます。
子供たちを守るために、スタッフが施設内を巡回パトロールしたり、キッズスペースに防犯カメラを設置したりするなどの対策を行いましょう。また、怪しげな動きをする人物を発見した際には、速やかに警察に通報をするよう、従業員に事前指導することも大切です。
キッズスペースでの衛生対策
たくさんの子供たちが一緒に遊ぶキッズスペースには、衛生面の対策も必要です。
特に注意したいことが、感染症。たとえば、インフルエンザやノロウィルスのような病気は、ウィルスを持っている人が触ったものに、ほかの人が触れることでウィルスが移ります。そして、そのウィルスに触れた人の手指から口や鼻にウィルスが入ることで感染します。ですので、スペース内に置いてある遊具やおもちゃは定期的に消毒や除菌をして、保菌者からウィルスが感染することを防ぎましょう。
また、スペースに入る子供や保護者には、事前に手洗いと消毒を徹底してもらうよう促しましょう。くわえて、遊具やおもちゃを口に入れないよう、子供たちや保護者に注意喚起する貼り紙などを掲示することも大切です。
特に屋内にあるキッズスペースは乾燥しやすく暖かいため、ウィルスが繁殖しやすい環境になりがちです。子供たちの健康を守るためには、衛生対策を徹底しましょう。
なお、砂場を設置している場合は、抗菌砂を使用するのがおすすめです。
キッズスペース内で事故やトラブルが発生したときの対処法
キッズスペース内での事故をスタッフが目撃したり、ケガをした子供の姿を見たりした場合は、まずは子供に声をかけ、ケガの状態を確認します。そして、保護者の立ち会いのもと、子供自身や目撃していた人などから事故やトラブルの状況について聞き取りを行うと良いでしょう。
商業施設などの無料のキッズスペースの多くは、保護者の付き添いが前提です。そのため、キッズスペース内で事故やトラブルが発生しても、その責任は基本的には保護者が負うことになります。ケガの原因が子供自身や子供同士のトラブルにあり、その場に保護者がいる場合は、ケガやトラブルの対応については保護者に委ねるようにしましょう。
ただし、遊具が破損していた、棚や机が倒れたなど店舗側に明らかな過失がある場合は対応が変わってきます。「キッズスペース内での事故は保護者に責任があるから」といってぞんざいな対応をしてしまうと、クレームにつながります。
子供のケガの程度を確認し、しっかりと状況確認を行うようスタッフへ指導をしてください。
まとめ
キッズスペースは小さな子供が遊ぶ場であるため、安全管理や衛生管理は必須です。遊具での事故や子供同士の接触などによってケガが発生しないよう、保護者による見守りをしていただくだけでなく、店舗側でも対策を講じる必要があります。
子供たちが安全に楽しく遊べるキッズスペースを目指して、安全対策や衛生管理を考えてみてくださいね。